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マリオットの5億人データ流出事件、中国政府関与か=米紙報道

2018年12月17日 10時08分更新

文● Martin Giles

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マリオット傘下のホテルグループがサイバー攻撃を受けた事件について、米政府関係者は米国人スパイを排除するための中国政府の取り組みの一環だとの見方を示している。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、マリオット傘下のスターウッド・ホテル系列がサイバー攻撃され、5億人の顧客の個人情報が盗まれた件について、米政府は中国人スパイによる諜報活動の一環との疑いを持っているという。米政府は、機密情報の入手が認められている米政府職員の個人情報に対する2014年の不正アクセスや、保険会社からの情報漏洩にも中国が関与していると見ている。一方、中国外交部は同紙に対し、「あらゆるサイバー攻撃に断固として反対する」と述べ、ハッキングへの関与を否定した。

米国は中国国家安全部の指示でハッカーが活動していたと考えており、米国人スパイとその下で働く中国人を特定するための大規模なデータ採掘活動の一環との見方を示している。とりわけ、機密情報につながる政府職員の情報は重要なデータであり、マリオット・グループは米政府関係者や軍関係者がもっとも頻繁に利用するホテルだ。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、米当局は現在、中国人ハッカーを起訴する準備を進めている。起訴されれば、米国と中国間の貿易戦争が悪化する中、両国の関係にさらなる緊張をもたらすだろう。中国の大手通信機器メーカーであるファーウェイの孟晩舟(メン・ワンツォウ)最高財務責任者(CFO)がカナダで逮捕された問題で、すでに両国間の緊張は高まっている。ファーウェイがサイバーセキュリティに脅威を及ぼすと主張する米国は、イラン制裁に違反した嫌疑により孟CFOの引き渡しを要請。中国は米国とカナダが孟CFOの人権を侵害したと非難し、解放を要求した。ドナルド・トランプ大統領は、ロイター通信によるインタビューで、米国の国家安全保障の利益にかない、中国との貿易協定の進展に役立つなら、問題に直接介入すると述べている。

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