iPad Pro、MacBook Air、Mac mini……アップル2018年10月新製品まとめ 第21回
良い意味でMacBookの拡大版:
新MacBook Air「ちょうどよい」と感じた理由
2018年11月06日 20時00分更新
●ディスプレーを拡大したMacBook
新型のMacBook Airは、誤解を恐れず言えば、ディスプレーを拡大したMacBook、そのものです。プロセッサは、低消費電力にバランスを振った1.6GHzで動作する第8世代Intel Core i5が設定され、ワイヤレスインターネット12時間のバッテリーライフを実現しています。
グラフィックスも、Intel UHD Graphics 617以外のオプションは用意されていません。ただし、それでも5Kディスプレー、もしくは4Kディスプレー2台を接続できるだけの性能があるため、MacBook Airのターゲットで足りないという人は少ないのではないでしょうか。
Intelチップの基本性能向上から、プロセッサの選択肢をなくして1つに絞ったとしても、多くの人にちょうどよいレベルの処理性能を実現できるというアップルの見立てがあったと考えることができます。
一方、「最も人気のあったポータブル型Mac」とアップルが説明する同シリーズのフルモデルチェンジまで、8年もの歳月を要した理由はどこにあったのでしょうか。アップルは良い機能とデザインを探求してきたと話しますが、特にMacBookからの学びが多かったようです。
MacBookは2015年に登場したRetinaディスプレーを搭載する超小型サブノートMacです。超低消費電力のプロセッサ、MacBook Airから引き継いだ刃物のように先が細くなるボディデザイン、そして新たな積層型の設計で搭載量を最大化したバッテリー、超薄型バタフライキーボード、1つだけ搭載したUSB-C端子と、とにかく1kgを切るMacとしての追求をしてきました。
MacBook Proも2016年にモデルチェンジ。Retinaディスプレー、バタフライキーボード、Thunderbolt 3端子などを備えた新世代デザインへと移行しました。13インチモデルはデュアルコアからクアッドコア化され、不足していた処理性能も克服しました。
MacBookは1299ドルから(日本では14万2800円から)、MacBook Proは1799ドルから(同じく19万8800円から)という価格がつけられています。
これらの製品を経て登場したMacBook Airは、MacBookのような薄型・小型化を進めたデザインとRetinaディスプレー、MacBook ProのようにシンプルかつパワフルなThunderbolt 3端子と、高いセキュリティ性能を誇るTouch IDとT2チップを搭載しながら、1199ドルから、という価格を設定しました(日本では13万4800円から)。
もしもいまMacBook Airを使っているユーザーであれば、ほかにはない、というべきちょうど良い、進化した選択肢といえます。
ただし、ちょっとでもポータブル性を追求したいなら、MacBookを選ぶべきですし、処理性能に少しでもこだわりたいなら、MacBook Proを検討すべきです。より多くの人にとってちょうど良い選択肢でありながら、なんらかの目的性が生まれれば、MacBook Air以外の選択が有力となる、そんなラインアップをアップルはそろえました。
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