サイエンス・ロボティクス誌の新しい論文で紹介された新種の超小型飛行ロボットは、滑らかな表面に貼り付いたり、自重の何倍もの重さの物を引っ張ったりできる。
フライクロタッグス(FlyCroTugs)と命名された手のひらサイズのロボットには、非常に小さなマイクロスパイン(ヤモリの足からヒントを得た小さなとげ状の粘着性突起物)とウィンチ(巻上機)が装備されており、自重の40倍の重さの物体を引っ張れる。スタンフォード大学の博士課程学生であるマシュー・エストラーダを中心としたチームは、スズメバチが同様の方法で体重の何倍もの重さの獲物を運べることから着想を得た。さらに、2台のロボットが協力して重いドアを開けられることを実証した(冒頭映像参照)。
現段階では、このロボットはごく限られた範囲内での短時間の作業にしか向いていない。しかし、狭いスペースを動き回れるという特性を活かして、将来的には捜索や救助、遠隔操作による作業の支援に応用できるだろう(エストラーダは、工場内のバルブを閉めるような作業を例に挙げている)。複数のロボットを訓練してグループによる協働作業もできるかもしれない。