エプソンは10月5日、モバイルスキャナーの新製品「ES-50」と「ES-60WB/WW」を発売した。
ES-50は「DS-30」の後継機となるモデルでUSB接続に対応、価格は1万4980円。ES-60シリーズはブラックとホワイトの2色展開、Wi-Fi/USB対応で価格は1万9980円。
今回、Wi-Fi/USB対応モデルとなるES-60WBをお借りできたので、実際に数日間使用してみて感じたことをお伝えしたい。
小さい&軽いは正義
まず、見た目の印象としては思った以上に小さいと感じた。モバイルスキャナーというだけあって持ち運ぶことを考えた大きさ(幅272×奥行き47×高さ33.8mm)・重さ(およそ300g)になっており、もうひとつのモデルES-50はES-60シリーズと同サイズでありながら、重さわずか270gと他社のモバイルスキャナーよりも軽い設計になっている。
また、カラー展開については新たにホワイトモデル(ES-60WW)がラインアップとして加わったことで、ブラックとあわせて2色から選べるのは素直にうれしい。個人的にエプソンといえば白のイメージが強いため、今回の新色には注目したいところ。
ごちゃごちゃ散らかっていてもすぐに使える手軽さ
据え置きタイプとは違ってモバイルスキャナーは使いたいときにすぐに持ち出せる手軽さが最大の特徴であるため、デスク上がごちゃごちゃしていても関係なく使えるのがポイント。特にWi-Fiモデルはケーブル不要なので、いざというときは自分の膝の上でスキャンするという使い方ができる。
実は膝の上でも使えるのは個人的に大きな発見だった。数枚程度なら電源を入れてからスキャン完了までわずか1分前後とあっという間に終わる手軽さと、場所を選ばずに利用できることからスキャンするという行為のハードルを大きく下げることにつながると感じたからだ。一般的な据え置きタイプの製品では、当然ながらスキャンする用紙を持って機器があるところまで行く必要があったため、どうしても手間を感じる面があった。
ちなみにES-50はA4 1枚が5.5秒、ES-60シリーズでは4秒でスキャンでき、さらに長尺紙(最大1828.8mm)でも読み取り可能なので、例えば100円ショップなどで大量に買った際の長いレシートでも最後まで問題なくスキャンできる。家計簿をデジタル管理している人にはうれしい仕様だ。
スキャン後のサポートが充実
今回、新たに専用アプリ「Epson ScanSmart」がWindows/Mac向けに提供開始され、スキャン後のデータを保存・転送できるなど、二次利用が簡単にできるようになった。例えば、コピー機がなくてもスキャンしたデータをエプソン製プリンターに送って印刷したり、EvernoteやDropbox、Googleドライブに保存したりできる。
なお、メールで送付する場合はわざわざフォルダに保存しなくてもスキャン後に直接メールに添付して送信できるのがラク。また、Epson ScanSmartはスキャンを開始すると自動的に起動するため、デスクトップからアプリを探して起動する必要もない。
モノを増やしたくない人にオススメ
PC周辺機器は大きいものが多く設置場所も広くとってしまうことがあるため、導入に対して躊躇してしまう人がいるかもしれない。特にスキャナーはどちらかというと必需品ではない部類に入ってしまうのが正直なところで、プリンターと同様に本体サイズが大きい上にあまり使う機会がないとなるとなかなか購入に踏み切れないだろう。
ただし、端末が小型であれば話は変わってくる。今回のモバイルスキャナーはPCと重ねて一緒に持ち運べるサイズ感であることに加えて、バッグに入れても負担にならない重さなのでガジェット好きとしても1台欲しくなってくる。何より一番のハードルだった置き場所の確保を考えなくて良いのがうれしい。
今回試用できた期間は引っ越し直後でバタバタしていたものの、ダンボールなどの物が散らかった部屋でも好きな場所で使うことができたのでモバイルスキャナーの手軽さを体感できたいい機会となった。ただ、Wi-Fi機能に関してはうまくPCが認識しなかったため、せっかくのワイヤレススキャンを試せなかったのが心残りだ。また、USB接続でのスキャンはMacよりもWindowsマシンのほうがうまく認識したということも念の為ここで共有しておきたい。
兎にも角にもモバイルスキャナーは導入ハードルをかなり下げてくれるのは間違いないだろう。家庭に1台あると活躍の場が増えそうだ。