CEATEC JAPAN 2018が10月19日まで開催中だ。以前は薄型テレビ発表の場として盛り上がった時期もあるが、脱・家電見本市を掲げた2016年から大きく変化、2017年からはIoTと共創をテーマとする総合展示会というコンセプトを掲げ、今回はその2回目となる。そんなCEATECの見ておくべきブースや注目点などをまとめた。
インターネットを介した
モノやサービスが並ぶ展示会
今のCEATECでは実際に何を展示しているかといえば、IoTというべきインターネットを介したモノやサービスがたくさん並んでいる。そして、それらは「共創」というテーマのとおり、さまざまな会社を横断したプロジェクトとなっていることも多い。
今年のサービスの展示で象徴的なものといえば、メガバンクであるMUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)はブロックチェーン技術を用いたデジタル通貨「MUFGコイン」とそれを使ったサービスの展示だ。そして、ローソンはRFIDを使ってレジで立ち止まらずにショッピングバッグに入れた商品のスキャンと決済を体験できるようにするなど、未来の店舗システムを展示している。
その一方で、シャープのように8Kテレビの新製品を前面に掲げたブース展示もある。とはいえ自社の家電製品をネットワークで接続して協調動作をする「COCORO+」などをアピールしい、今すぐ買えて便利に使えるIoT製品を紹介するというCEATECらしい一面もある。
また、モビリティ分野ではトヨタがSDL(スマートデバイスリンク)を紹介、運転中のクルマから安全にスマートフォンアプリを操作するサービスを展示している。
展示はいくつかのエリアに分かれているが、トータルソリューションのエリアは完成品に近く、電子部品/デバイス&装置のエリアが部品に近い。会場を隅々まで見る余裕がなければ、見る人の興味に合わせてまずどのエリアから攻めていくのかを決めてから行くとよいだろう。
シャープで家電連携サービスを体験する
見ておくべき展示はいくつかあるが、コンシューマー向けの製品が並び、IoTやスマートハウスを体験しやすいのが前述のシャープ。注目は「COCORO+」というIoT対応家電のサービスブランドを掲げ、エアコンや調理器具をはじめとしてさまざまな機器がネットに繋がるようにしており、その連携を展示している。
分かりやすい展示では、オーブンで魚を焼くときに、空気清浄機が自動で動作して焼き魚の匂いを消すような動作ができること。これはシャープの対応オーブンレンジ、対応空気清浄機があり、設定すればすぐに使いはじめることができる。
また、エアコンは外出先からの操作といった部分が注目されがちだが、インターネットを介して気象情報を参考にした動作をさせたり、スマートフォンアプリのインターフェースで、付属リモコンよりももっときめ細やかな操作をしたり、といったことも可能になる。
これらはシャープの対応製品を持っていればよく、もし、最近のシャープ製電子レンジや空気清浄機を購入していれば、設定だけで連携させられるような製品が手元にあるかもしれない。将来のことではなく、身近なスマートハウス化を実感できるのもシャープのブースとなる。
ローソンではウォークスルー会計を体験
ローソンのブースではコンビニを模した店舗を用意。実際の商品が用意され、RFIDによるウォークスルー会計を体験することできる。
実際に購入するにはスマートフォンアプリの設定が必要になるが、買う商品を手にとり、袋ごとリーダーを通せば会計が終わる。商品にはRFIDが付けられており、一瞬でスキャンが完了する。ブースでは実際に買い物しなくても会計の体験だけすることできるようになっている。
体験希望者でブースは混雑していたが、逆にウォークスルー会計がどれだけ時間短縮になっているかを実感できることになっている。
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