最優秀賞はPikcioに
GDPRから生まれたアイデアが優勝 国内初開催Visaのイノベーションプログラム
2018年10月19日 11時30分更新
ビザ・ワールドワイド・ジャパンが開催したグローバルイノベーションプログラム「Visa‘s Everywhere Invitative」の最終選考会が開催され、最優秀賞にPikcio AGの「myGame VISAWallet」が選ばれ、賞金200万円を獲得した。
Visa‘s Everywhere Invitativeは、2015年から世界40ヵ国以上で開催されているプログラムで、今回初めて日本で開催された。課題としては、東京オリンピック開催を意識した、次の3つ、加盟店・インバウンド・そして東京五輪についての課題が提示されていた。
課題1=「デジタル・ペイメント・ソリューションを加速するために、中小加盟店に対する価値と利便性の提供には、どのようなソリューションが考えられるでしょうか?」
課題2=「東京2020オリンピック開催期間およびその先において、訪日外国人に革新的なデジタル・ペイメント体験を提供するために、どのようなソリューションが考えられるでしょうか?」
課題3=「東京2020オリンピック開催期間中、競技場や関連施設において、観客および利用客向けに魅力のあるデジタル・ペイメント体験を提供するために、どのようなソリューションが考えられるでしょうか?」
今回3つの課題に対し、53社、88のアイデアの応募があり、9月4日に開催された最終選考会ではファイナリストとして選ばれた9つのアイデアについてプレゼンテーションが行なわれた。
最優秀賞を獲得したのは、ブロックチェーンを個人情報交換に活用するスイスのスタートアップ・Pikcio AGの「myGame VISAWallet」。訪日外国人向けに、ブロックチェーンを活用した、個人データ交換のためのワンストップ・プラットフォームを提案した。このソリューションを利用することで、訪日外国人は認証された相手にのみ個人情報を明かし、必要だと思われるサービスをワンストップで利用できる。
プレゼンテーションを行なったPikcioのジャパン・ビジネスマネジャーのブルーノ・アブリユ氏は、「このソリューションは、パリでGDPRが実施されることが決定したことでスタートした。利用者がGDPRの存在を忘れてしまうことができるような、安全で利便性の高いサービスを目指したものとなっている」と説明。個人情報保護が厳しくなることで企画された、安全性の高さと利便性という相反する内容の共存を目指したソリューションであるとアピールした。
審査員からは、「高い個人情報保護が求められる環境下で、金融機関にとってのビジネスチャレンジであり、利用者にとってもメリットが高い。実際に個人情報保護の規制が厳しくなった欧州で生まれた発想である点も評価した」という声があがった。
優秀賞を獲得したのはモバイル決済サービスを提供する株式会社Kyashの「Kyash Score」。スマホを使った支払いサービス「Kyash」の支払い状況に応じてスコアを算出し、そのスコアに応じてポイントを提供する。代表取締役 CEOの鷹取真一氏は、「ポイントサービスは、大企業に比べ中小企業の対応は遅れているが、当社のサービスは中小企業にも導入しやすいことが特徴」とアピールした。
会場にいた来場者の投票によって選ばれた特別賞は、ブロックチェーンを活用し、1台のスマホでクレジットカード、ポイントカードなど異なるカードをインテグレートするサービスをプレゼンしたソラミツ株式会社が受賞した。ソラミツのソラ・ディレクター 宮沢和正氏は、前職がEdyの開発者の経歴を持つ。
今回、受賞した3社のほかには、課題1に対してはFinatextが「Broker as a Service」、コンシェルジュが「Concierge U」、課題2に対しては77hzが「ARCADIA・JAPAN」、クービックが「Coubic」、課題3に対してはWirex Japanが「Wirex」、Coolpayが「Touche」を提案した。
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