デジタルカメラの標準的な記録媒体になっている「SDメモリーカード」。しかし意外に壊れやすい面もあり、抜き差しを繰り返すうちに物理的にダメにしてしまった経験がある人もいるかもしれない。
取材の撮影データをやり取りするため、毎日メディアを抜き差しする筆者もそんな経験があるひとり。さすがに、カード自体が折れた経験はないが、接点の部分にあるリブが欠けたり、プロテクトスイッチから割れ目が入ってしまった経験はある。ソニーの調査でも、約半数がSDメモリーカードを破損した経験があるという回答を得たそうだ。
そこで登場するのがタフネス仕様のSDメモリーカードだ。
ソニーはすでに「世界最速」をうたう、書き込み速度が最大で毎秒299MB、読み出し速度が最大で300MBの「SF-G」シリーズをリリースしている。この性能を維持しながら、破損に強く、防水防塵性能も備えた機種として市場投入するのが「SF-Gシリーズ タフ仕様」のSDメモリーカードだ。ラベルには「TOUGH」の文字、型番の末尾には「T」が付く。
ケース部は通常2枚の樹脂部品を重ねて作るが、高硬度の樹脂に変え、さらにメモリーと外装を一体成型にしている。イメージとしてはアーモンドをチョコレートでコーティングするのに近いという。リブをなくした形状で、破損しやすいライトプロテクトスイッチも「あまり使われていない」という意見を反映して省略。結果SD規格に対して18倍の曲げ強度を確保。さらに水深5mで72時間水没しても大丈夫なIP68相当の防水防塵性能を備えるなどタフな仕様を手に入れた。
突起が少なくフラットな外観で、重さも若干感じるが、そのぶん丈夫な印象を与える。
32GB、64GB、128GBの3種類があり、10月20日から順次発売(128GBのみ11月24日発売)。実売価格は税抜で1万4000円前後、2万円前後、4万円前後になる見込みだ。速度については既存のSF-Gシリーズと同等だが、新しく出たこともあり、価格は若干安くなるという。
カメラの破損以上にダメージが大きいのはデータの破損。大切なデータはタフなメディアで守りたい。