Photokina2018はフルサイズ・ミラーレスの上のほうもにぎやかです
ライカ&富士フイルムが新しい中判デジカメを発表~次は1億画素=実機レポート!!
2018年09月28日 20時00分更新
ドイツ・ケルンで開催中の写真関連展示会「photokina 2018」で、中判デジタルカメラの新製品が、独ライカと富士フイルムから発表されました。
ライカからは3年ぶりの中判の新製品となる「ライカ S3」、富士フイルムはなんとレンジファインダー型のデザインを採用した「GFX 50R」です。
さらに富士フイルムにいたっては、1億200万画素の超高画素センサーを搭載した「GFX 100 MEGAPIXELS CONCEPT」も同時に発表し、話題をさらいました。
ライカは3年ぶりに「S」の新モデル
最新デジタル技術を投入
ライカ S3は、中判センサー(ライカプロフォーマット)を搭載した同社のフラッグシップカメラです。6400万画素の高画素で、Sマウントを採用。最高ISO感度はISO50000、4K動画の撮影にも対応しています。
2019年春登場予定で、詳細は現時点で明らかにされていませんが、ブースにはすでに実機が置かれており、自由に試用できるようになっていました。
2015年の「ライカS」(Typ007)以来3年ぶりに登場したライカの中判デジタルカメラ。Lマウントをパナソニックとシグマとの協業でさらに拡大し、中判でも新製品を投入するライカ。スマートフォンではHuawei、カメラではパナソニックやシグマといった盟友を得て、ますます勢いを強めている印象です。
富士フイルムは2年前のPhotokinaで発表したGFXの新モデル
RF型でカメラおやじの心に染みるのだ
同日に中判カメラを発表したのが富士フイルムです。GFXシリーズの最新モデルとして、「GFX 50R」が発表されました。これまで一眼レフライクだったGFX 50Sに対して、レンジファインダータイプのスタイルを採用しており、よりコンパクトになっているのが特徴です。
その重量は775g。50Sが920gだったことを考えれば大幅な軽量化です。5140万画素の高精細中判センサーを搭載し、X-Processor Proによって50Sと同等の性能を維持しています。
デザインの変更にともなって操作性も改善しており、十字キーを配した代わりに8方向のフォーかレスレバーを搭載するなどしています。純正レンズやHCレンズでの35mmフォーマットモードが選択できたり、BluetoothとWi-Fiによるカメラリモート機能なども追加されており、使いやすさも向上しているようです。
プレスカンファレンスで来場者の拍手喝采を受けたのが、Capture Oneに対応したことです。Capture One ProかCapture One Pro FUJIFILMであればテザー撮影にも対応し、RAW現像だけならこれに加えて無償のCapture One Express FUJIFILMも利用できます。
従来通り、Lightroomもサポート。プロのワークフローで普段使用しているソフトウェアが使えないことがハードルとなっていたことから、今回対応を行ったと言います。
同社では、50Sはサイドスロットでバッテリー交換を雲台に設置したままできることから固定して使うカメラとして、50Rは軽量化したことで積極的に屋外に持ち出して使うカメラとして、使い分けられると指摘しています。
中判カメラは、とにかく解像度を重視するコマーシャルフォトや風景などの世界で必要とされていますが、50Rは機動性も高められたことで、さらに適用範囲が拡大できると、富士フイルムでは期待しています。
それに加えて、1億200万画素のGFX 100MPIXELSです。43.8×32.9mmという中判サイズの裏面照射型CMOSに、X-Processor 4を搭載。民生用ミラーレス中判カメラとしては初の像面位相差AFを搭載して、センサー面で約100%のAFエリアをカバーしています。
そして何より、このセンサーサイズでありながら中判デジタルカメラでは初のボディ内手ブレ補正に対応しており、30Pながら4K動画の撮影にも対応した盛りだくさんなカメラです。
ターゲットは各社のフルサイズデジタル一眼レフカメラのフラッグシップ機と同等のサイズと重さ。中判サイズという大型のセンサーを振動させて手ブレ補正を行う関係上、どうしてもスペースが必要となり、放熱の問題もあってボディサイズは大きくならざるを得ません。それでも、フラッグシップ一眼レフ並みのサイズに抑えることが目標だとしています。
発売は2019年。果たして、宣言通りのサイズで登場するのか。そして実際の画像がどのような画質になるのか、登場が楽しみなカメラです。