メッセージアプリの会社であるワッツアップ(WhatsApp)は2014年に、220億ドルというとてつもない金額でフェイスブックに買収された。 しかし、買収以降、共同創業者のブライアン・アクトンとジャン・コウムは、ユーザーやユーザーのデータを利用して収益を得るように強く主張するフェイスブック幹部らとの間で意見の相違が相次いでいた。
最終的に、この意見の相違がワッツアップの共同創業者2人のフェイスブック退社につながり、アクトンは8億5000万ドルを不意にした。9月26日、アクトンは2018年3月に「いまこそ#deletefacebookする(フェイスブックをやめる)ときだ」とツイートして以来、初めてインタビューに応じた 。以下は、アクトンの発言主旨である。
「フェイスブックの幹部たちはビジネスピープルです。それも優秀なビジネスピープルです。彼らは典型的なビジネス上の慣行や原理、倫理、政策を具現化しているに過ぎず、私は必ずしも彼らとは相容れなかったのです」。
「フェイスブックの嫌な点は、質よりも収益を優先するところです。ヤフーにも同じことが言えます。ひと儲けできるなら、質を抜きにして取り組むのです」。
「独占禁止に関する懸念についてEU規制当局に説明した際、私は、フェイスブックとワッツアップのシステム間でデータを統合したり、 一体化させたりするのは非常に困難だと説明するように指示されました」。しかし、それは事実ではなかった。アクトンは「データを統合する計画と技術」がすでに存在していたことを知った。「フェイスブック幹部たちは皆、賭けていたんだと思います。なぜなら、(買収の審査から)ずいぶん時間が経過しており、EUはもう忘れているかもしれないと考えていましたから」。
「フェイスブック退社については、まあ、私がやりたくないことを、あなた方がやりたいのでしたら、邪魔者は抜けた方が良いでしょう、といった感じです。それで私はそうしました」。
「とどのつまり私は、自分の会社を売り払ったのです。ユーザーのプライバシーを、より大きな利益のために売ってしまったのです。このことを選択し、妥協したのは私です。毎日そのことを抱えて過ごしています」。
「私はユーザーをお金で売ってしまった裏切り者です。自分でもそう認めています」。