iPhone XS＆iPhone XR、ASCII徹底大特集！ 第71回

1つのカメラでも機能を実現できた秘密はプロセッサー：

iPhone XRはなぜ「ポートレートモード」を実現できたのか

ボケの調整

　カメラとA12 Bionicの関係でもう一つ興味深い事実は、「ボケの数値モデル」を持っている点です。これにより、ポートレートモードには撮影したあとからボケ具合を調節することができる「深度コントロール」が搭載されました。

　自分で絞りをコントロールできるカメラを持っている人には親しみのある機能だと思いますが、絞りを開放に近づければ、ピントが合っていない場所がより大きくボケ、絞っていくと背景のディテールも浮き上がってきます。

　iPhone XR・XS・XS Maxで撮影したポートレートモードを編集しようとすると、「f値」のコントロールによってボケ具合を調節できるようになりました。

　この調節をしても、写真の明るさやシャッタースピードが変わるわけではないので、若干言葉足らずに感じますが、個人的にはf値優先オートで写真を撮ることが多いので、すんなりと受け入れることができました。

　背景がボケた写真をその場で記録するのではなく、被写体と背景を分離した写真に対して、数値モデルでボケのエフェクトを追加している仕組みであることがわかります。