ディスプレーの大型化は
世界的に必然的な流れ
3モデル展開となった新しいiPhone、最近の流行に乗りディスプレーサイズが大型化したことはいい傾向だと思います。小型サイズを求める声もあるでしょうが、ストリーミングによる映像配信の利用や、SNSのタイムラインで写真や動画を楽しむにはより大きく、ワイドなディスプレーが適しています。19.5:9というワイドなディスプレーの採用はiPadで利用できるマルチウィンドウを今後iPhoneにも対応させようとしているのかもしれません。
また、eSIM搭載でDSDSを実現したことは大きなトピックです。DSDSの使われ方は片側のSIMをメインとして固定し、もう片側に料金の安いSIMや海外で現地SIMを入れるという使い方が多く、eSIMでメイン契約、SIMスロットには自由にSIMを入れるという使い分けができます。新型iPhoneがコンシューマー層へのeSIMを一気に普及させ、今後他社にも採用が広がるかもしれません。
カメラのスペックを見て安心したのは
中国メーカー!?
一方でカメラのスペックは中国系メーカーを中心にかなりの高画質化が進んでいることを考えると、明るさを増したとはいえ新モデルの画質はあまり変わり映えがしないと感じます。ボケの強化もようやくという感じがしますし、フロントカメラも室内利用を考えると不満が残ります。SNS利用を考えると、ノッチ部分にあれだけのサイズを割いているのですからフロントカメラも1000万画素超えの明るいレンズを搭載してほしかったところ。もしかすると今回の新型iPhone発表を見て一番安心したのは、カメラ強化を進めている中国系メーカーではないでしょうか。
価格は上位モデルのiPhone XSシリーズが10万円超えは納得できるところですが、カラバリを増やした下位モデルのiPhone XRの最低価格が8万円を超えており、ターゲットユーザーが見えにくくなっています。少なくとも海外では学生が買える値段ではありません。Face IDの搭載やワイドディスプレーなど、よりプレミアムな製品になり、ブランド価値をさらに高めたいという思惑もあるのでしょう。
低価格品は値下げされた旧モデルでカバーする考えはわかりますが、アップルの製品は最新モデルを買って満足したいユーザーが多いはず。そして、ディスプレーにノッチの無い旧iPhoneのデザインはもはや古さを感じられます。iPhoneを使い続けている層には今回の新製品は買い替えに値する魅力ある製品かもしれませんが、これからiPhoneに乗り換えようとする消費者にとっては新製品の価格は悩ましいところでしょう。
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