長きにわたり低迷を続けていた米バイオベンチャー、セラノス(Theranos)が、正式に解散する運びとなった。
2014年、セラノスは革命的な血液検査システムを売りにし、一気に大衆の注目を集めることに成功した。その翌年、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)のある調査により、指先のごく少量の血液を用いる同社の診断技術の正当性に疑義が持ち上がった。調査に基づいてMITテクノロジーレビューは、セラノスの技術を2015年最大の失敗技術の1つに指定した。その後、政府の調査で、セラノスが抱えている多くの問題が明らかになった。今年に入り、米国証券取引委員会(SEC)は、同社のエリザベス・ホームズCEO(最高経営責任者)を多額の詐欺容疑で提訴した。これによりホームズCEOは、同社トップの座を降りることとなった。
9月4日にWSJが公開した株主宛の電子メールにより、セラノスがついに終わりを迎える事実が明らかになった。同社は正式に解散し、残余資金を無担保債権者に返済する予定だ。
セラノスの株主らは最終的に、総計で約10億ドルの損失となる。