4KディスプレーはAdobeRGBのカバー率100%、第8世代Coreプロセッサー搭載
4K液晶の15.6型ノートPCは、高性能CPU&GPUで動画編集やゲームが快適
2018年08月26日 10時00分更新
アルミ削り出しの筐体や、カーボンファイバー製のパームレスト、極細ベゼルなどを採用した上質なデザインが魅力的なデルの15.6型ノートパソコン「New XPS 15」。上位モデルには、6コア/12スレッドの高性能CPUやGTX 10シリーズなどを搭載しており、写真編集や動画編集などのクリエイティブワークにも十分対応できるパフォーマンスを持つ。今回は、各種ベンチマークテストを実施し、下位モデルと比較しながらその性能をチェックしてみた。
6コア/12スレッドの第8世代Core i7を搭載
New XPS 15は、搭載するCPUやメモリー、液晶ディスプレー、ストレージなどの構成の違いによって「プレミアム」「プラチナ」「プラチナ・4Kタッチパネル」「プラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSD」の4モデルにわかれている。
これらのうち、プレミアムモデルのみCPUが4コア/8スレッドのCore i5-8300H(2.3GHz)で、残り3モデルは6コア/12スレッドのCore i7-8750H(2.2GHz)が搭載されている。また、上位2モデルはストレージとメモリー搭載量が異なるだけで、そのほかはほぼ共通のスペックとなっている。
今回は、もっともリーズナブルなプレミアムモデル(関連記事)と、上から2番目のプラチナ・4Kタッチパネルモデル(関連記事)を比較しながらパフォーマンスをチェックしてみた。2機種のおもなスペックの違いは次の通り。
スペック比較表 | ||
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機種名 | プレミアム | プラチナ・4Kタッチパネル |
プロセッサー | Core i5-8300H(4コア/8スレッド) | Core i7-8750H(6コア/12スレッド) |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス 630 | NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti |
メモリー | 8GB | 16GB |
ストレージ | 1TB SSHD | 512GB SSD |
バッテリー | 56WHr、3セル | 97WHr、6セル |
まず、ベンチマークソフト「CINEBENCH R15」を実行してCPUの性能をチェックしてみたところ、次の通りになった。
CINEBENCH R15の結果 | ||
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機種名 | プレミアム | プラチナ・4Kタッチパネル |
CPU(シングルコア) | 172cb | 176cb |
CPU(マルチコア) | 778cb | 1084cb |
シングルスレッドの性能はほぼ互角だが、マルチスレッドの性能はコア数の違いもありプラチナ・4Kタッチパネルの方がかなり高い結果となった。普段使いはもちろん、動画編集やゲームなどでも実力を発揮するCPUパフォーマンスだ。
パソコンの総合的なパフォーマンスを見るため「PCMark 10」を実行してみたところ次のようになった。
PCMark 10の結果 | ||
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機種名 | プレミアム | プラチナ・4Kタッチパネル |
PCMARK 10 スコア | 3790 | 4996 |
Essentials | 8080 | 9016 |
Productivity | 6174 | 6804 |
Digital Content Creation | 2962 | 5518 |
マシンの基本性能を示す「Essensials」と、ビジネスアプリの性能を示す「Productivity」は、2モデルにそれほど大きな差は見られなかった。しかし、クリエイティブアプリの性能を示す「Digital Content Creation」は2500を超える差がついている。画像編集のような比較的軽い作業はプレミアムモデルでも十分だが、動画編集のようにある程度負荷のかかる作業ならプラチナ・4Kタッチパネルモデルの方が快適だろう。
グラフィックス性能をチェックしてみよう。プレミアムモデルに搭載されているのはCPU内蔵のインテル UHD グラフィックス 630、プラチナ・4Kタッチパネルモデルは外部グラフィックスのGeForce GTX 1050 Tiだ。GTX 1050 Tiといっても、薄型ノート向けに電力効率を重視してチューニングされたMax-Qデザインなので、従来のグラボと比べるとパフォーマンス的にはやや不利だが、それでもCPU内蔵グラフィックスとの性能差は大きいはず。そこで3DMarkを実行してみたところ、次の結果になった。
3DMarkの結果 | ||
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機種名 | プレミアム | プラチナ・4Kタッチパネル |
Time Spy | 377 | 2478 |
Fire Strike | 990 | 6655 |
Sky Diver | 4133 | 20632 |
3DMarkの結果からわかるように、大差がついている。プラチナ・4Kタッチパネルモデルは高性能なゲームPC向けの「Fire Strike」で6000を超えており、ある程度の負荷があるゲームでも快適にプレーできるだろう。
そこでゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver1.51」は次のようになった。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver1.51(解像度:1920×1080ドット)の結果 | ||
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機種名 | プレミアム | プラチナ・4Kタッチパネル |
低品質 | 7280(とても快適) | 20292(すごく快適) |
標準品質 | 5934(快適) | 18656(すごく快適) |
最高品質 | 4721(普通) | 18579(すごく快適) |
さらに「FINAL FANTASY XIV:紅蓮の解放者 ベンチマーク」も試してみた。
FINAL FANTASY XIV: 紅蓮のリベレーター(解像度:1920×1080ドット) | ||
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機種名 | プレミアム | プラチナ・4Kタッチパネル |
標準品質(ノートPC) | 2365(普通) | 12108(非常に快適) |
高品質(ノートPC) | 1558(設定変更を推奨) | 10659(非常に快適) |
最高品質 | 1025(設定変更が必要) | 7198(非常に快適) |
プラチナ・4Kタッチパネルモデルでれば、「FINAL FANTASY XIV:紅蓮の解放者」くらいまでなら、フルHD、最高品質でも快適に遊べる。
バッテリーは9時間以上駆動可能
今回試したNew XPS 15のプラチナ・4Kタッチパネルモデルには、ストレージとして512GBのPCIe SSDが搭載されていた。「CrystalDiskMark」で性能をチェックしてみたところ、シーケンシャルリードが3000MB/秒を超える結果になった。SSHDを搭載するプレミアムモデルと比べると、OSの立ち上げやアプリの起動、データの読み込みなど、いずれも体感できるほど高速だった。
バッテリーはプレミアムモデルが56WHr、3セルで、プラチナ・4Kタッチパネルモデルが97WHr、6セルとより大容量になっている。そこでバッテリーベンチマークソフト「BBench」を使ってバッテリー駆動時間を計測してみた。いずれも、「Dell Power Manager」の「熱設定」を「最適化」に、電源プランを「デル(推奨):より良いバッテリー」、画面の明るさを「50%」に設定。BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定し、満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計っている。
BBenchによるバッテリー駆動時間結果 | ||
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機種名 | プレミアム | プラチナ・4Kタッチパネル |
駆動時間 | 7時間21分 | 9時間5分 |
結果、プラチナ・4Kタッチパネルモデルは約9時間の駆動が可能だった。高性能CPUや外部GPU、4Kディスプレーなどを搭載しているのを考えると、驚異的な結果といえる。出先で画像編集やゲームをしたいときなどにも活躍しそうだ。
デルの直販サイトでは、プレミアムモデルが15万6578円、プラチナ・4Kタッチパネルモデルが28万778円という価格で販売されている。またクーポンの適用で、それぞれ13万3091円と23万8661円で購入可能だ(8月23日現在)。性能を考えればプラチナ・4Kタッチパネルモデル十分お買い得といえるが、あまり負荷の高い処理はしないという人ならリーズナブルなプレミアムモデルも魅力的だ。用途や利用シーンに合わせて選んでみてほしい。