人事用チャットボットを開発する企業「タラ(Talla)」は、人工知能(AI)ソフトウェアをセールス業務にも活用したい考えだ。
タラについては、MITテクノロジーレビューのウィル ・ナイトAI担当上級編集者が2016年に記事にしている。ボストンに本拠を置くタラは、新入社員が企業が求める仕事の水準に早く到達し、利益を生むように手助けするチャットボットを開発している企業である。機械学習と自然言語処理を使い、現在の平均的なボットよりも賢いソフトウェアを実現しているのが特徴だ。
タラは人事以外の部門に進出するため、8月21日、販売や顧客対応、その他の顧客関連業務の役割を強化した新しいプラットホームをローンチした。既存の文書コンテンツを使って顧客や従業員の質問に対する回答を学習し、必要とされるタスクを回答するソフトウェアと結びつける。
タラのロブ・メイ最高経営責任者(CEO)はMITテクノロジーレビューに対し、新しいソフトウェアは販売員にとって建設作業員のパワードスーツのようなものだと語った。新米の営業担当者がこのソフトウェアを使うと、問い合わせに対して回答が提案される。営業担当者は情報を探し回る必要が無く簡単に回答を入手でき、仕事をよりすばやくこなせるようになるという。回答が適切であればソフトウェアは次の段階に進むように提案し、顧客住所の更新といったタスクを自動的に完了する。
タラのプラットホームは、ソフトウェア・ロボットの導入へ向けた広範な移行ビジネスの一部だ。「私たちはデジタル・ワーカーの構築を長期目標としています」とメイCEOは話す。タラは自動化が可能なタスク数を増やしており、コンピュータ化された従業員が徐々に誕生しつつある。