MSIはなぜスポンサードするのか?
それでは、なぜMSIは戦国ゲーミングのようなまだ小さなプロチームを応援しているのだろうか? じつはMSIは「アマチュアチームを一緒にプロチームに育てよう」という理念からアマチュアゲーミングチーム支援プログラム「MSI Dragon」を昨年から開始しており、それに応募してきたチームのひとつが戦国ゲーミングだったのだ。
応募のあったアマチュアチームは大学生のサークルだったり友だちの集まりだったりするものが多いなか、戦国ゲーミングが提出した企画書にはプロになるための考えがしっかりと書かれており、なんと「SG.LAN」についてもこの段階で提案されていたという。
そこからMSIによる戦国ゲーミングのスポンサードが始まり、今ではひとつのタイトルで日本代表になるほどチームが成長したのだから、スポンサー企業としてこれほどうれしいことはない。
なお、すでにこの「MSI Dragon」の募集は終了しているが、引き続きアマチュアゲームチームのサポートについての提案は受け付けているという。希望するアマチュアチームは提案してみるといいだろう。
プロの技を味わえるイベント
こうしたメディアへの説明会のあと始まったイベントでは、選手やコーチの挨拶、MSI製品の紹介が行なわれ、続いて「レインボーシックス シージ」で戦国ゲーミングのメンバー2名と参加者2名で戦う変則的なルールでの対戦会が開催された。
2名ずつという少人数での戦い。一人でも倒されると圧倒的に不利になる状況でどのような結果になるだろうと見守っていると、結果はプロの圧勝だった。プロは相手が見えた瞬間には敵の頭を撃ち抜いており、多くの参加者は何もできない状態が続いていた。まさにプロの技と言える。
しかし、このままではおもしろくないとルールを変更。プロ側はエイム感度を通常の3倍、さらにハンドガンしか使ってはいけないという縛りが適用された。
さすがにこのルールではプロも厳しいかと思いきや、この状態でもプロ側は優勢だった。何度かラウンドを落としたりはしたものの(対戦は5戦マッチの3回勝ち抜き制)、操作に慣れてきたのか全体的には勝利したかたちだ。
その後もプロ側はマウスとキーボードを2人でそれぞれ操作する二人羽織プレイや、参加者側に戦国ゲーミングのコーチが参戦するなど、さまざまなかたちでプロとファンの交流が行なわれた。
2対2の対戦会のあとは参加者とプロの混合チームによる5対5の対戦会も行なわれ、ゲームプレイのうえで参加者の疑問や重要なテクニックなどをプロが解説しつつ、参加者は大いにR6Sというタイトルを楽しんだ。
イベントの最後にはじゃんけん大会や写真撮影、サイン色紙の贈呈なども行なわれ、最終的に約20人ほどが集まったイベントは盛り上がりのなか幕を閉じた。
この日は福岡市内で別のプロゲーマーチームによるイベントが2ヵ所で開催されていたため参加者が分散してしまったかたちだが、その分参加者ひとりひとりにじっくりと時間を取っていた。
「SG.LAN」ではイベント以外に通常営業日もプロゲーマーが店舗に在籍しているため、こうしたプロと参加者の交流が何よりの魅力なのだと筆者には感じた。
今後もファン交流イベントはもちろん、プロゲーマーによるネットカフェの運営も行なわれるとのことなので、eスポーツの世界に興味がある九州のゲーマーは一度店舗に足を運んでみるといいだろう。