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仕事に差がつく!阿久津良和「Office 365のスゴ技」 第37回

Inspire 2018特別号外:Office 365/Microsoft 365関連の発表まとめ

Office 365の商用月間アクティブユーザー数が1億3500万人に

2018年07月19日 13時00分更新

文● 阿久津良和 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。

 Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回は番外編として、Microsoftが2018年7月15日(現地時間)から5日間、米国ラスベガスで開催しているパートナー向けイベント「Microsoft Inspire 2018」で発表されたOffice 365、およびMicrosoft 365に関するトピックを紹介する。

 初日のコアノートでは、Microsoft CVP One Commercial Partner, Gavriella Schuster氏がOffice 365の業績に言及。Office 365のビジネスは前期比42%アップ、商用月間アクティブユーザー数は1億3500万人に達したことを明らかにした。

Microsoft CVP One Commercial Partner, Gavriella Schuster氏

Office 365は42%アップ。ちなみにDynamics 365は65%アップ、Microsoft Azureは93%アップ、CSP(クラウドソリューションプロバイダー)は234%アップだという

 また、パートナー事例としてCarlsberg(カールスバーグ)のデジタルトランスフォーメーションが紹介された。同社は2018年初頭に500台のオンプレミスサーバーをMicrosoft Azureに移行し、社内システムをMicrosoft 365に移行させている。社内コミュニケーションはMicrosoft Teamsを利用し、より良い風味を生み出す醸造や発酵作業に関する研究環境を刷新させたとCarlsberg Group CTO, Sarah Haywood氏が説明した。

Carlsberg Group CTO, Sarah Haywood氏

Carlsberg内で使用中のMicrosoft Teams。OneNoteやMicrosoft PlannerもTeams内に組み込んでいる

 2日目のコアノートでも、AI(人工知能)やAzureのトピックを取り上げつつ、Microsoft 365の利用率が過去12カ月で急成長しているとアピール。Microsoft 365ベースのWindows 10商用デバイスは2億台、EMS(Enterprise Mobility+Security)シートは6500万以上、Microsoft 365の成長率は前年比3桁成長を実現しているという。

Microsoft CVP Microsoft 365, Ron Markezich氏

過去12カ月におけるMicrosoft 365の勢い

 Microsoft CVP Microsoft 365, Ron Markezich氏は、場所を問わずにいつでも必要な作業実行を可能とする「Modern Desktop」をキーワードとして掲げ、Windows 10、Office 365、EMSがセットになったMicrosoft 365をさらにアピールする。「ビジネスリーダーの81%が、今後2年間でモダンワークプレースへの投資を期待し、人材と職場に最適なツールと機能を(企業の)競争力とする」(Markezich氏)と述べ、Windows 7やOffice 2010など、まもなくサポートが終了するソフトウェアからの移行をうながした。

Markezich氏が掲げる「Modern Desktop」。企業の作業効率性を高めることを目的とするキーワードだ

 その上で、80%の労働者が共同作業に費やし、残る13%は単独の作業に従事するというデータを元に、Microsoft TeamsやYammer、Skypeビデオ通話など共同作業ツールの活用が作業効率を改善すると強調。後述する無料版Microsoft Teamsを取り上げつつ、「Microsoft 365はチームワークと共同作業を実現する基盤だ」(Markezich氏)と述べた。

Microsoft Microsoft 365 Enginnering, Raji Rajagopalan氏

 Markezich氏の発言を裏付けるデモンストレーションは、MicrosoftのMicrosoft 365 Enginnering, Raji Rajagopalan氏が担当した。Outlook MobileをクライアントとしてLinkedIn Graphから関係者の情報を抜き出し、Microsoft Graph経由で作業中のファイルや今後のイベントなどを確認。Windows Analyticsを用いた不正メールの防御や、Microsoft Teamsによるスペイン語から英語への翻訳、ExcelのAI分析機能であるInsightsを披露した。この他にも、実施済みオンライン会議のビデオ視聴や、自動生成した字幕を対象にしたキーワード検索機能に触れ、「AIとデータはチームワークを大幅に簡素化するインテリジェンスをもたらす」(Rajagopalan氏)と述べてデモンストレーションを締めくくった。

Microsoft GraphやLinkedIn Graph上のデータをOutlook Mobile経由で参照

Microsoft Teamsに搭載予定のメッセージ翻訳機能

ExcelではAIを用いた分析機能であるInsightsを披露

実施済みオンライン会議のビデオから、キーワード抽出で必要な情報を取り出すことが可能になる

企業の42%が2018年末までにGDPRへの準拠を見込んでいるが、「Microsoft 365はGDPR対応済み」(Markezich氏)だと強調する

Wordに埋め込まれたBitcoin採掘マルウェアをOneDrive上で除去するデモンストレーション

 3日目のコアノートはMicrosoft CEOのSatya Nadella氏が登壇し、既存情報や新たな事例を総括。Azure StackやDynamics 365など多くの製品を取り上げた(Office 365関連のトピックは少なかったので本稿では割愛する)。

Microsoft CEO, Satya Nadella氏。今回のInspireは社員総会であるMicrosoft Readyと同時開催だった

 最後にInspire 2018開催前に同社が2018年7月12日に発表したOffice 365関連の新機能を紹介したい。

 前述のとおりMicrosoftは、無償版Microsoft Teamsを公開した。有償版と同様に300人までの同時利用が可能だが、ExchangeのメールホスティングやOffice 365との連携サービス、ストレージサイズ(有償版は1TB/1ユーザーだが、無償版は2GBおよび共有用10GB/1ユーザー)といった制限がある。

 Microsoft 365では、ライブイベントやオンデマンドイベントを作成する機能が新たに加わる予定だ。Cognitive Servicesの顔検出機能を用いた発言内容のタイムラインを作成して、特定のタイミングに移動する機能や、Speech-to-Textで発言内容をテキストに変換して、必要な情報を容易にピックアップする。キャプションの追加など、動画コンテンツの利便性を高める機能を備える予定だ。

無償で利用可能となったMicrosoft Teams

Microsoft 365には、Cognitive Servicesを用いた動画コンテンツの利便性を高める機能が加わる

 新たなWorkplace AnalyticsにはMicrosoft Graphとの連係機能が加わる。集計したデータを用いた共同作業・会議の改善をMyAnalytics経由で提案し、同僚へ送信すべきメールの告知機能も加わるという。そして、Microsoft WhiteboardのGA(一般提供)もアナウンスされた。Whiteboardは、デスクトップをキャンバスと見なし、フリーハンドでビジネスアイディアを描き込むことで、遠隔地との共同作業や表や図の清書などを自動的に行うツールである。既にUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)版がダウンロード可能、Web版はプレビュー版を公開ており、近日中にiOS版が公開される予定だ。

Workplace AnalyticsはMicrosoft Graphと連携することで、ワークスタイル改善をさらに進める

GAしたUWP版のWhiteboard。Windows 10上で利用可能

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