マウスコンピューター、MSI製品を取り扱いラインアップを拡充

文●ジサトラ ハッチ

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 マウスコンピューターは、MSI製ゲーミングPCの取り扱いを7月24日(火)より開始することを発表した。同社は自社でゲーミングブランド「G-Tune」を展開しているが、異なる視点で開発された製品を取り扱うことで、幅広いユーザーニーズに応える製品提案を行なうとしている。

 本日行われた発表会では、冒頭にマウスコンピューターの代表取締役社長 小松永門氏が登壇。G-Tuneはゲームが快適に動作する性能に特化し、幅広い価格レンジで最先端な技術を可能な限りシンプルにお届けするというコンセプト。一方、MSI製のデスクトップはユーティリティーや機能の作りこみに優れ、新しいゲーム体験を得られるという違いがあると語った。

マウスコンピューター代表取締役社長 小松永門氏

 次にMSIの副社長 Ted Hung氏が登壇。同社はゲーミングデスクトップ、ゲーミングモニター、Proシリーズと3つのセグメントでハードウェアを展開。2014年よりゲーミングシステムの提供を開始したと説明。

MSI副社長 Ted Hung氏

 2015年にはゲーミングデスクトップとはどういったものかと改めて見直し、静音のクーリングシステムを世界で初めて実現。そして、2016年にはユニークなデザインでゲーミングデスクトップを展開。その後、多くのユーザーからトータルソリューションを提供して欲しいという声があり、ゲーミングモニターにも参入したとのこと。

 また、MSIはすべてのゲーマーに息をのむようなゲーミング体験を楽しんで貰うため、常に最先端のマシンを提供し、ゲーミングの知識をオープンコミュニティに発信していきたいと考えているという。そのため、世界中で20以上のプロeSportsチームをスポンサードし、そうしたプロ選手からのフィードバックも製品開発に役立てているという。また、世界中のゲーミングイベントにも参加しているとのこと。

MSIのビジョンとミッション

MSIがスポンサードしているeSportsチーム

MSIは2107年には世界28ヵ国で37のゲーミングイベント、72の学校イベントを実施

 今回マウスコンピューターが取り扱うMSI製品は、「Aegis 3 8th」と「Nightblade MI3 8th」の2製品。マウスコンピューターは、最上位のMASTERPIECEシリーズ、最近シャーシが切り替わったばかりのNEXTGEARシリーズ、NEXTGEAR-MICROシリーズ、ハンドル付きで持ち運びに適したLITTLEGEARシリーズを展開してきたが、ここにMSIの2製品が加わる形となる。

MSI製品はMini-ITXマザーボードを採用した、小型筐体のラインアップを拡充する形となる

マウスコンピューターのLITTLEGEARシリーズ(右)と、MSI製品との違い。LITTLEGEARはMSI製PCよりも高性能なCPUとグラボを採用するが、機能面ではシンプルな構成となっている

「Aegis 3 8th」は、シャーシ上部にハンドルを備え、LANパーティーやゲームイベントなどへの持ち運びに適したデスクトップPC。CPUは第8世代インテルCore i7-8700、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 1080と、小型ながらパワフルで3Dゲームも快適に動作する性能を有する。

Aegis 3 8th

「Aegis 3 8th」の主なスペック
CPUCore i7-8700(6コア/12スレッド、3.2~4.6GHz)
グラフィックスGeForce GTX 1080(GDDR5X 8GB)
メモリー16GB(DDR4 PC4-19200)
ストレージ256GB(NVMe対応 M.2 PCI Express Gen3×4接続)、1TB HDD(7200rpm SATA3接続)
チップセットインテルB360
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
インターフェースDisplayPort出力×3、HDMI出力、DVI-D出力、USB3.1 Type-C、USB3.1 Type-A×2、USB3.0×2、USB2.0×4(前面ポートのうちひとつは常時給電対応)、ギガビットLANほか
無線機能IEEE802.11a/b/g/n/ac(最大433Mbps)、Bluetooth 5
マウス/キーボードCLUTH GM10/VIGOR GK40
電源450W(80PLUS BRONZE)
サイズ約169(W)×433(D)×376(H)mm
OSWindows 10 Home(64ビット)
価格24万5800円(税別)

 Aegis 3 8thは一般的なPCと異なり、CPUとGPU、電源ユニット(PSU)のエアフローを分けて冷却することで、高い冷却を可能としているという。また、シャーシの上部、左右を開いて簡単にパーツのアップグレードが可能となっている。また、NVMe対応の高速なM.2 SSDを採用していることも特筆すべき点だ。

Aegis 3 8thは、土台のような下部に電源ユニとを逃がし、上部のシャーシの左右でもエアフローを分けることで、効率よく冷却を行なうことができるという

シャーシの上部、左右を開くことで、ストレージやメモリー、グラボへのアクセスが楽に行なうことができる

上部の2.5インチベイにSSDなどを追加可能。M.2のSSDはマザーボード裏面に2つ接続できるようだ

グラボは垂直方向に設置する設計により、自重による端子部分への負荷を軽減。持ち運びの際に端子部分が曲がるなどの破損事故を防ぐようになっているようだ

シャーシの前面の左右には、折り畳み式のヘッドホンホルダーを搭載。ヘッドホンやVRヘッドセットなどを掛けておくのに便利そうだ

「Nightblade MI3 8th」は、Aegis 3 8thよりもさらに小型なゲーミングデスクトップ。ミドルタワー型と比べ約40%の面積で設置が可能という。CPUはAegis 3 8thと同じCore i7-8700を採用しているが、グラボはミドルクラスのGTX 1060となり、ストレージもSATA3接続になっているが、その分価格は7万円以上安価。

Nightblade MI3 8th

「Nightblade MI3 8th」の主なスペック
CPUCore i7-8700(6コア/12スレッド、3.2~4.6GHz)
グラフィックスGeForce GTX 1060(GDDR5 6GB)
メモリー16GB(DDR4 PC4-19200)
ストレージ256GB(M.2 SATA3接続)、1TB HDD(7200rpm SATA3接続)
チップセットインテルH310
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
インターフェースDisplayPort出力、HDMI出力、DVI-D出力、USB3.0 Type-C、USB3.0 Type-A×2、USB2.0×5(前面ポートのうちひとつは常時給電対応)、ギガビットLANほか
無線機能IEEE802.11a/b/g/n/ac(最大433Mbps)、Bluetooth 5
マウス/キーボードCLUTH GM10/VIGOR GK40
電源350W(80PLUS BRONZE)
サイズ約128(W)×342(D)×268(H)mm
OSWindows 10 Home(64ビット)
価格16万9800円(税別)

Nightblade MI3 8thのエアフローは、左右に2つに分かれているという

Aegis 3 8thと同様に上部、左右でグラボやストレージへのアクセスが行なえるため、簡単にアップグレードが可能としている

 また、Aegis 3 8thとNightblade MI3 8thのどちらもMSI製の光学ゲーミングマウス「CLUTCH GM10」、ゲーミングキーボード「VIGOR GK40」が標準で付属する。

CLUTCH GM10

VIGOR GK40

 ハードウェアのみならず、ソフトウェア面も充実。FPSプレイ中に銃で撃たれた方向を、3Dサウンド解析によって矢印で表示するアプリや、ディスプレーの表示を設定するOSDもアプリとして搭載。キーボードやマウスで操作できるため、モニターに触れることなく操作可能。また、スマホアプリから操作するといったこともできるようになったという。

元々はフランスの空軍のトレーニング用ソフトを開発していたNahimicと共同で開発した3Dサウンドアプリでは、ゲーム上の音を捉え、たとえばどこから銃の弾が飛んできているのかを矢印で画面上に示すことが可能

OSDのアプリでは、輝度やコントラストなどを、ディスプレーに直接触れることなく設定可能

対応ゲームのホットキー機能も利用できる

さらに、スマホのアプリから遠隔でディスプレーの調整や電源のオン/オフも行なえる。そのため、寝転びながらゲームをプレイし、ディスプレーに近づくことなく電源を切るという使い方も可能とのこと

 MSIは今回発表されたゲーミングPCに最適な液晶ディスプレーとして、「Optix MPG27CQ with GameSense」をアピール。本製品はゲーミング周辺機器メーカーであるSteelseriesとの協業により生まれたVAパネルを採用した27インチ(2560×1440ドット)のゲーミング液晶。マウスコンピューターのウェブサイトなどでは、Aegis 3 8thとNightblade MI3 8thのBTOオプションとして選択して購入することができる。

Optix MPG27CQ with GameSense

 144GHzと高いリフレッシュレートを実現し、滑らかな映像表現を可能とする。パネルの表面曲率は1800Rで、視野角は178度。sRGB115%、NTSC100%を謳う。映像入力端子はDisplayPort 1.2、HDMI 2.0×2。

 LEDの効果が特徴で、たとえばCounter-Strike: Global Offensive(CS:GO)の場合、左下のLEDが体力、中央下がキル数、右下が残弾数を表し、ゲーム内に用意されたステータスとは別に、LEDでもこうしたステータス状態を確認することができる。

 ただし、このゲームのステータスをLEDで示す機能が利用できるのは対応ゲームのみ。現状、対応しているのはCS:GO、League of legend(LoL)、Dota 2の3作品とのこと。対応していないゲームの場合は、MSIのLEDイルミネーション機能であるMystic Lightにより、LEDのエフェクトをPCや付属マウス、キーボードと連動させたりが行なえる。

CS:GOでは、銃を撃つと画面右下のLEDが徐々に減り、敵を倒すと中央下のLED表示が増え、ダメージを負うと左下のLED表示が減っていた

 今回発表されたMSI製のPCは、サポートや修理はMSI側が行なうため、マウスコンピューターのウェブサイトや直販で購入した場合でも、G-Tuneとはサポート先は異なるという。サポート先は、販売ページなどで誘導するそうだ。

 販売はマウスコンピューターのウェブサイトまたは直営店、マウスコンピューター製品取り扱い販売店となる。今回紹介されたゲーミング液晶だけでなく、ストレージのBTOオプションなどは用意される予定だとのこと。

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