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アプリ機能だけでなく顧客データ活用やビジネス成長のための“知見”も提供「Salesforce Essentials」

セールスフォースが「5ユーザーまで」小規模企業向けCRM発売

2018年05月16日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 セールスフォース・ドットコムは2018年5月15日、小規模/スタートアップ企業向けのエントリー版製品群「Salesforce Essentials」の国内本格展開を開始した。第一弾製品として「Sales Cloud Essentials」「Service Cloud Essentials」を発売。CRMを利用したことのないユーザー層に対しても、顧客データを活用した営業活動のあり方やCRMの有効活用法といった“知見”も含むチュートリアルを提供し、ビジネス成長を支援する。

小規模/スタートアップ企業向けの新製品「Salesforce Essentials」

セールスフォース・ドットコム 専務執行役員 コマーシャル営業の千葉弘崇氏

セールスフォース・ドットコム マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアディレクター 御代茂樹氏

1ユーザーあたり月額3000円で、上位エディションと同等の機能を提供

 Salesforce Essentialsは、小規模/スタートアップ企業向けに提供されるエントリー版のCRMアプリケーション群。「設定がシンプルですぐに使える」「AI機能(Einstein Activity Capture)組み込みによる業務支援」「アプリマーケットプレイス(AppExchange)対応による機能追加/拡張が可能」といった特徴を備えている。

Salesforce Essentialsの特徴。IT専任担当者のいない小規模企業でも簡単に使い始め、機能拡張できるようにくふうされている

 今回発売された製品は、営業職向けのSales Cloud Essentialsと、カスタマーサービス職向けのService Cloud Essentialsの2つ。別製品となっているが、実際にはどちらも同じ機能(双方の機能)が使え、違いはメイン画面がそれぞれの業務に合わせた表示になっている点だけだという。

 またEssentialsでも、上位エディションのProfessionalとほぼ同じ機能が使える。Essentials独自の制約としては、「5ユーザーまで」のユーザー数制限、カスタムオブジェクト(独自開発機能)の利用不可、という2点となる。

「G Suite」や「Office 365」などのメール/予定表からデータを読み込むAI機能、Einstein Activity Captureとも連携。顧客とのメールのやり取りなどが自動的に顧客情報に紐付けられる

 価格は1ユーザーあたり月額3000円(税抜、年間契約)で、Professionalの3分の1の価格とした。なお30日間の無料トライアルが提供されており、トライアル画面から「正式契約」ボタンをクリックするだけで、オンラインで契約手続きを開始/完了できる機能も備える(In-App Checkout)。

 さらに、昨年発表したグーグルとのグローバルパートナーシップに基づく共同キャンペーンとして、Essentialsを導入したユーザーに対してグーグル「G Suite」を3カ月間無料で提供する。

企業成長のための知見を提供、“Excelや紙の顧客リスト管理”からの脱却を支援

 発表会にはセールスフォース・ドットコム 専務執行役員 コマーシャル営業の千葉弘崇氏、同 マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアディレクター 御代茂樹氏が出席した。

 千葉氏は、国内企業全体の85.1%(中小企業庁調べ)を占める小規模企業においては、「営業活動が属人的」「1人の従業員がいくつもの役割を兼務」「IT部門が存在しない」といった背景から労働生産性が低迷し、その状況を改善しうるIT投資にも遅れが生じていると指摘。こうした企業へのSalesforce製品導入を進めるため、設定が簡単で使いやすく、将来的な拡張性も持つ今回のEssentials製品をリリースしたと説明した。

設定アシスタント。企業ごとに異なるセールスパスの設定、既存システムとの接続などをわかりやすく支援する

 また、Essentialsの特徴や機能を説明した御代氏は、ユーザー自身で設定し、すぐに使い始められるような仕組みで効率化を図ることで、小規模/スタートアップ企業向けの安価なサービスを実現したと紹介した。数カ月前からEssentialsの販売をスタートしている米国市場では、ユーザー企業は従業員20名以下の規模が圧倒的に多く、平均で3ユーザーライセンスを導入しているという。

 Essentialsがターゲットとする小規模/スタートアップ企業市場では、まだCRMを導入したことがなく、表計算ソフトや紙を使った顧客管理が行われているケースも多い。御代氏は「『顧客管理』という言葉が“リストの管理”という理解で終わってしまっている」と述べ、社内共有される顧客情報が不十分で、属人的あるいは場当たり的な営業活動しかできず、企業成長につながる顧客管理が実現していない現状を指摘した。

 そのため今回のEssentialsでは、チュートリアルやオンライントレーニング「Trailhead」の仕組みを使って、単なるツールの使い方だけでなく、企業成長につながる顧客管理のあり方、顧客データの活用法などの知見も提供していく。実際にEssential向けのトレーニング科目も用意したという。千葉氏は、Salesforceはこれまで世界中で多数の中小企業ビジネスを支援してきた経験から数多くの要望と知見を蓄積しており、Essentialsでは製品と共に「深い知見」も提供していきたいと語った。

チュートリアル画面。CRMを使った企業成長につながる営業活動のあり方という視点でコンテンツが提供される

 「小規模企業向けの最適なソリューションを提供し、一社でも多くの小規模企業のユーザーに導入いただきたいと考えて、今回のSalesforce Essentialsをリリースした」(千葉氏)

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