サムスン電子のフラッグシップスマートフォン「Galaxy S9/S9+」が海外で発売されました。まだ未定というものの、日本投入も期待されています。この2製品は前のモデルから見た目はあまり変わりませんが、カメラを中心に中身は大きく変化しました。使い勝手も同様です。
全画面化が進んだフロントデザイン
Galaxy S9とS9+の外観は、Galaxy S8とS8+とあまり大きな変化はありません。ディスプレーサイズもS9とS8、S9+とS8+で同等です。しかし本体サイズは微妙に変わっています。
- Galaxy S9:68.7×147.7×8.5mm
- Galaxy S8:68.1×148.9×8.0mm
- Galaxy S9+:73.8×158.1×8.5mm
- Galaxy S8+:73.4×159.5×8.1mm
Galaxy S9/S9+は横幅と厚みが微増していますが、縦の長さは1mm以上短くなっています。これはディスプレーの上下のフレームをさらに狭くしたからです。その結果「インフィニティディスプレー」の名前の通り、全画面ディスプレー感が高まっています。最近はその全面ディスプレー化を進めるために各社のスマートフォンがノッチ付きディスプレーを採用していますが、Galaxy S9/S9+を見る限り、ノッチが無くとも十分フルディスプレーを実現できる、そう感じられます。
また実際に本体を使う際は、ケースをつける人がほとんどでしょう。そうなると本体サイズの変化は使うケースによって大きく変わります。そのため横幅と厚みの増加分は実際は気がつかない程度の差かと思われます。美しい背面仕上げをアピールするためにも、クリア系のケースをつけて使いたいものです。
指紋認証が改善
顔認証がより使いやすく
背面デザインはGalaxy S9+がデュアルカメラとなり、デザインは大きく変わりました。Galaxy Note8もデュアルカメラを搭載していますが、Galaxy S9+はカメラが縦に並んでいるのでデザインは大きく異なっています。一方Galaxy S9はシングルカメラですが、コンパクトな本体サイズを考えるとシングルカメラのほうが背面デザインはすっきりするでしょう。もちろん2つのモデルを差別化する意味合いからも、カメラ性能を変えているわけです。
背面デザインの大きな変化は、指紋認証センサーの位置がカメラの下へ移動されました。これは使ってみると最も改善されたポイントだと実感できます。Galaxy S8とS8+はカメラのすぐ真横に指紋認証センサーがあったため、どうしてもレンズの表面に指先が触れてしまいました。またレンズの下にセンサーがあれば、左手で本体を持っているときも人差し指がしっかりと届きます。
ちなみに指紋登録も、指先をさっとセンサー上でなぞるように動かすだけ、ほぼ一瞬でできるようになりました。指の位置を微妙にずらして登録していた手間がなくなり、気軽に自分や家族の指先を登録できます。生体認証は便利なものの登録が面倒ですが、その点も大きく改善されました。
とはいえ実際にGalaxy S9/S9+を使い始めると、指紋認証よりも顔認証をよく使うようになりました。Galaxy S8/S8+の顔認証は指紋認証と虹彩認証の補助でしたが、Galaxy S9/S9+では精度とセキュリティーが高まり、iPhone Xのようにメインの認証システムとして使えます。
また、シチュエーションに応じて虹彩認証を使えるので、指紋を使わずとも顔を向けるだけで画面のロック解除が可能になります。顔認証に慣れると指先をタッチするのも面倒になるくらいで、その結果指紋認証をだんだんと使わなくなってしまったのです。
その他のデザイン変更点として、本体底面のスピーカーの穴がすっきりしたものになりました。Galaxy S9/S9+はようやくステレオスピーカーが搭載され、ディスプレー上部にもスピーカーが搭載されています。これでインフィニティディスプレーを使って映画を見るときに、没入感が高まります。せっかくの高画質なディスプレーをエンタメ用途に使う時に、Galaxy S8/S8+では音の面でやや物足りなさがありましたが、Galaxy S9/S9+ではその不満がなくなっています。