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共働き夫婦に朗報!LINEのスマートスピーカー「Clova Friends」で、子どもと自動で「やることリスト」を共有してみた

2018年04月23日 12時00分更新

文● 海上 忍

提供: LINE

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LINEと連動できるスマートスピーカー「Clova Friends」

LINEのAIアシスタント「Clova」がIFTTTに対応!

 定番メッセージングアプリ「LINE」との連携に対応、音声でLINEメッセージを送受信できるという他にない機能が特長の、LINEのスマートスピーカーClovaデバイス。

 特に、LINEの人気キャラクター「ブラウン」と「サリー」をモチーフにした「Clova Friends」は、子どものいる家庭向けのファミリーユースにぴったりなスマートスピーカーとして注目されている。また、Clova Friendsは、メッセージだけでなく、LINEの無料音声通話機能(受発信)も利用でき、事前にClovaアプリ内で登録しておけば、家族共用の簡易VoIP電話としても活用できるのが特徴だ。

 そんなClova Friendsに搭載されているAIアシスタント「Clova」が「IFTTT(イフト)」に対応した。IFTTTを使えば他社・他製品の機能と組み合わせることで、従来にない使い方が可能になるのだ。

iOS版IFTTTアプリ。「アプレット」と呼ばれるプログラムの作成と管理に利用する

IFTTTのアプレットは「If This Then That」の流れで作成される

IFTTTって何? どう使う?

 IFTTTは異なるクラウドサービスを連携させ新しい機能や使いかたを実現しようというサービスで、さまざまな製品が対応を開始している。SNSでいえばLINEやTwitter、Facebook。GmailやGoogleドライブなどGoogleの各種サービス、リマインダや連絡先といったiPhoneのアプリなど、スマートフォンでお馴染みのサービスがIFTTTの機能として利用できる。これはほんの一例で、IFTTTで扱えるサービスは数百にもおよぶ。それらのサービスを"掛け合わせた"機能をClovaデバイスでも実現できるようになったというわけだ。

 IFTTTでは、「アプレット」をサイトに登録することで機能を実現する。アプレットはIFTTTの名前の由来となった「IF This Then That」、より直接的な言葉で置き換えると「もし"Aが○○"になったら"Bが××"する」の構成となっており、ユーザーーは「Aが○○」の部分にあたる「トリガー」と、「Bが××」の部分にあたる「アクション」を選び、表示する文字列などを調整したうえで「アプレット」に仕上げる。なお、IFTTTのWEBサイトでは他ユーザーが作成/公開したアプレットをアレンジして使うこともできるため、必ずしもゼロの状態からアプレットを作成する必要はない。

 具体例で説明してみよう。「Track when you Tweet in an iOS Calendar」という公開アプレット(IFTTTのサイトで入手できる)では、Twitterで自分のアカウントがなにかツイートすることをトリガーとし、それをiOSカレンダーにイベントとして作成することをアクションとする。前述の言いかたで置き換えると、「もし"Twitterでツイート"したら"iOSカレンダーがイベント作成"する」になる。

 なお、トリガーとアクションはサービスを提供する会社が用意するもので、ユーザーは表示文や条件の一部を変更することはできても、トリガー/アクションそのものを作成することはできない。現在Clovaデバイスで実施可能なものは「Post message to Clova」というアクションで、他のクラウドサービスで発生したことを受けClova側へ通知する、という内容のアプレットを作成できることになる。

 そのアクションを利用したサンプルアプレットは、「会社や学校を出たらClovaデバイスに通知」や「MISFITで目標運動量を達成したら褒めます」など8種類。IFTTTのWEBサイトで「Clova」というキーワードで検索するとヒットするはずだ。

IFTTTで公開されているアプレットをアレンジするだけで、異種サービスを組み合わせたさまざまな処理が可能になる

Clova対応アプレット/アクションを使おうとすると、LINEのサイトに誘導されプロフィールを提供することを確認される

Clovaに対応したアプレットも8種類公開されており、自分のLINEアカウントを登録すれば利用できる

Clova + IFTTTで帰宅した子供に「やることリスト」を!

 ただ、Clovaデバイスで使用できるアプレットを見ても、どう利用していいかピンと来ないという人も多いだろう。もう少し実用的なアプレットを……という声も聞こえてきそうだが、それはユーザーの工夫次第。現状では、最終的に「Clovaデバイスに通知する」というアクションしか利用できないものの、IFTTTには膨大な数のトリガーが用意されている。うまく組み合わせれば、自分の生活に応用できるアプレットや、家族で使えるアプレットを作成することも可能だ。

 ちょうどClova Friendsを利用している娘の同級生の父親(いわゆるパパ友)から、「家族の伝言板代わりに使えるスマートスピーカーの使い方を知らない?」と尋ねられ、なにかいいアイデアは……と探していたので、Clovaデバイス向けのアクションは格好の素材に思えた。スマホアプリで指示した内容がClovaデバイスへ通知されるだけでも、親が子どもになにか伝えるにはじゅうぶん。スマホを持たせられない年齢の子どもにだって対応できる。なにより、家を出たあとでも伝言を残せるから、"冷蔵庫に貼るメモ"より臨機応変に対応できる。

 これから作成するアプレットは、iOSのリマインダーアプリと連動する「New reminder added to list」トリガーと、Clovaの「Post message to Clova」アクションを利用する。指定したリストに用件(リマインダー)が追加されたら発動し、指定したメッセージをClovaデバイスへ通知する、という処理を自動で行うものだ。

 リマインダーに何を登録するかは自由だが、家族共用のスマートスピーカーとして活用されていることを想定すると、家にいる誰かにメッセージを残すという役割がピッタリ。未チェックの通知がある場合、Clovaデバイスでは底面のLEDが明滅して知らせてくれるので、小さな子どもでも何か伝言があるということはすぐにわかるはず。

通知が届くと、底面近くのLEDが緑に明滅して知らせてくれる

 IFTTTはクラウド連携のサービスだから、iPhoneのリマインダーアプリに用件を追加するとトリガーが発動し、自宅のClovaデバイスに通知してくれる。3時のおやつがどこにあるか子どもに伝え忘れたな、というときでも「おやつは戸棚にあります。手を洗ってから食べてね」などというリマインダーを登録すれば、自宅のClovaデバイスへただちに通知してくれる。LEDの明滅を見た子どもが「クローバ、お知らせを教えて」と話しかけると、「IFTTTから○件のお知らせがあります。本日○時○分に受信、"おやつは戸棚に..."」と読み上げてくれる、という寸法だ。「ゲームは宿題が終わってから」とか「漢字ドリルを4ページ必ずやること」といった内容のリマインダーを登録しておけば、「やることリスト」として活用できることだろう。

■やることリスト共有アプレットの作成手順■

あらかじめiOSのリマインダーアプリで「やること」リストを作成しておく

IFTTTアプリの「My Applets」タブ右上にある「+」ボタンをタップし、アプレットの新規作成を開始する

現れた画面で「this」をタップし、利用するトリガーの選択を開始する

「iOS」で検索して「iOS Reminders」トリガーをタップする

「New reminder added to list」をタップする

リマインダーアプリで作成したリスト(やること)の名前を入力し、「Create trigger」をタップする

「that」をタップしてアクションの選択を開始する

Clovaの「Post message to Clova」アクションをタップする

初期設定では英文が入力されているが、「Title」のみ残して削除し、「Create action」をタップする

アプレットのタイトルが英語交じりのため適当に修正したあと、「Finish」をタップするとアプレットが動作を開始する

アプレットの動作はON/OFFを切り替えることができる

指定したリストに用件を登録すると、わずかなタイムラグのあとクラウド(IFTTTのサーバ)からClovaデバイスへ通知が届く

 本件のパパ友も、このアプレットを気に入って使ってくれているようだ。

子供が塾を出たら、旦那が最寄り駅に着いたら通知!

 このほかにも、少しアレンジするだけでじゅうぶん使える公開アプレットもある。たとえば、「会社や学校を出たらClovaデバイスに通知」アプレットは、スマートフォンが所定の位置から移動したことを検知すると発動し(そのスマートフォンにIFTTTアプリをインストールしておく必要がある)、「オフィスから離れました」という通知をClovaデバイスへ送る。この通知を「○○ちゃんは学校から出ました」とか「○○くんの塾が終わりました」に変更しておけば、移動を開始したことをClovaデバイスで知ることができるのだ。

 また、このアプレットのトリガーを、“所定のエリア内に入ったら”というものに変更すれば、たとえば旦那が最寄り駅に到着した際にClovaデバイスに通知され、それを聞いて奥さんが夕飯を温めておく、といったことが可能になる。

 もちろん、家族とのコミュニケーション以外の用途にも利用できる。なかでも「RSS Feed」というトリガーを利用したWEBサイト更新の通知は、ニュースサイトの最新情報を知りたいとき役に立つ。

 Clovaのニュースお知らせには、総合、エンタメ、スポーツ、経済など、かなり細かくカテゴリを指定できるが、基本的にランキングの上位に上がってくるトップニュースのヘッドラインに限られる。たとえば、ITのニュースをもっと広く知りたい!といった人なら、ASCII.jpの提供しているRSSフィード(http://ascii.jp/info/about_rss.html)を登録しておけば、最新ITニュースの見出しをClovaデバイスでチェックするアプレットを作成できる。

 もちろん、もっと単純に、好きなアイドルのブログが更新されたらお知らせしてもらう、といった使い方だって可能だ。

 なお、更新頻度の高いWEBサイトのRSSフィードを登録するときは注意が必要。1回の「クローバ、お知らせを教えて」で確認できる通知は3件と決められているため、未チェックの通知が増えてしまうと「お知らせを教えて」とクローバに繰り返し頼まなければならなくなるからだ。未読がWEBサイト更新の通知で埋め尽くされてしまい、肝心な家族からの連絡に気付きにくくなる可能性もある。その場合、家族用とは別のプライベートなClova Friendsを用意するなどの工夫が必要になるだろう。

 ほかにも、FacebookやTwitterなどSNSとの連携もおもしろい使い方といえる。Twitterを例にすると、自分がメンションされたらその内容をClovaデバイスへ通知する、というアプレットなどどうだろう? 炎上すると大変なことになりそうだが、平均的なTwitterユーザーであれば楽しく使えそうだ。「Facebookの写真に自分がタグ付けされたら通知」というアプレットも公開されているので、Facebookとの連携を考えてもいいだろう。

 このように、IFTTT対応で活用の幅が大きく広がった「Clova WAVE」「Clova Friends」。スマートスピーカーは登場間もないデバイスだが、クラウドや他サービスとの連携で従来は考えにくかった使いかたが可能になるなど、これまでの経験則では判断できないような進化を始めている。指をくわえてこの事態を眺めるか、それとも……まずはClova Friendsを家に迎え入れ、IFTTTをイジり回すことが未来への鍵になるかも?

「RSS Feed」トリガーにRSSフィードのURLを入力する

Clovaのアクションに「FeedTitleにEntryTitleが掲載されました」という通知を発行するよう登録しておけば、最新ニュースの見出しをClovaの声でチェックできる

「会社や学校を出たらClovaデバイスに通知」アプレットを使えば、子どもが学校や塾を出たタイミングでClovaデバイスへ通知させることができる

(提供:LINE)

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