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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第98回

フォルクスワーゲンのカーナビで格安SIMを使ってみた

2018年03月22日 12時00分更新

文● 正田拓也

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プラグインハイブリッド車でテスト
フォルクスワーゲン Car-Netはじわじわと便利に

ゴルフGTEの車内。スピードメーターも液晶画面で表示する未来的仕様

ゴルフGTEの車内。スピードメーターも液晶画面で表示する未来的仕様

中央のディスプレーにネット接続時のみ表示されるフォルクスワーゲン Car-Netの画面

中央のディスプレーにネット接続時のみ表示されるフォルクスワーゲン Car-Netの画面

Wi-Fi経由でネットに接続する。ここにモバイルルーターを登録する

Wi-Fi経由でネットに接続する。ここにモバイルルーターを登録する

接続すると地球マークの横に「WLAN」の表示が付く。VICS情報もネット経由ならマークが水色になる

接続すると地球マークの横に「WLAN」の表示が付く。VICS情報もネット経由ならマークが水色になる

 今回せっかく試すならと、充電でも走行可能なプラグインハイブリッド(PHV)車、フォルクスワーゲン「ゴルフ GTE」を用意して、フォルクスワーゲン Car-Netを試してみた。

 Car-Netの場合、通信に完全に依存しているのではなく、検索やリアルタイムな情報が必要な場面に限って利用する。そのため、ネット接続ができなくてもカーナビの利用はできる。

 こう書くとネット接続がなくても問題ないと思うかもしれないが、実際に使ってみるとその差はじわじわと感じられる。

 クルマの電源オンの後、DC電源端子につないだピクセラのPIX-MT100が起動してCar-Netがネットにつながる約1分間を待てばすぐに付近の渋滞情報が表示される。

 FMラジオのVICSと違ってほぼ一瞬で情報が得られ、クルマが動き出すまでには付近の情報が分かっているということになる。

 目的地検索もカーナビ部分に豊富な情報が詰まっているが、Googleのリアルタイムな情報が利用できる。

駐車場情報。満車ならPのマークの横に赤線が付く

駐車場情報。満車ならPのマークの横に赤線が付く

ガソリンスタンドもネットから価格情報を得られる

ガソリンスタンドもネットから価格情報を得られる

 画面上で検索ができるほか、ハンドルの音声操作ボタンを押して「オンライン目的地検索」と唱えて検索内容を話せばGoogle情報が出てくる。ガソリンスタンドの情報では価格情報まで手に入る。駐車場の満車情報もわかるため、停めに行ったら満車だったということも少なくなる。

 そのほか、事前にスマホアプリで設定した目的地をインポートしたり、CDの音源情報からの楽曲情報は最新のものをネットから取得する、また、クルマの状態から点検や異常をネット経由で取得するといったナビゲーションにとどまらない機能も持っている。

VICSなど普段利用のデータ量は1日数MBで収まることも

 Car-Netを搭載した首都高や都心部の一般道を2時間ほど走行し、途中、数回のオンライン検索やガソリンスタンドの情報など、日常的な利用をしてみたところ、格安SIMキャリアが計測したデータ量は5MBだった。毎日平均して2時間乗ったとしても1ヵ月で150MBとなる。

 格安SIMなら容量が最低プランでも問題なく、たとえばnuroモバイルの「0 SIM」ならば月額0円の範囲内で収まることになり、テザリングが有料となる大手キャリアのスマートフォンを使っているなら別に格安SIMを用意したほうが得になる場合がある。

 今回のテストで使ったのは主に「OCN モバイル ONE」だが、低速モードにしても特に使い勝手が変わったという印象もなかったので、低速オンリーのプランやシェアSIMで容量消費ゼロとして運用する方法もあるだろう。

2時間ほど首都高や都内を走行し、検索などを行なった結果5MB消費

2時間ほど首都高や都内を走行し、検索などを行なった結果5MB消費

 今回のCar-Netは、ネット情報を限定的に利用し、取得するデータも画像や動画がないため1日数MBで収まったが、もう少しネット依存度の高いカーナビだとデータ量も多くなる。

 また、トヨタの「T-Connect」は地図更新のマップオンデマンド機能を搭載しているが、初回更新の最大値で11MBという目安が示され、ルート検索で自動更新を1時間利用した場合でも150KBとなる。1日に100MBも消費するようなことはまれだと思われる。

 これなら、多くの格安SIMが用意している3GBで月額約1000円のデータ専用格安SIMを車載専用として活用できる。

インフォテイメントのためにも格安SIM

 そもそも、スマートフォンでカーナビを済ませてしまえば、別にSIMやモバイルルーターを用意しなくてもよいと思うがもしれないが、すでにクルマのディスプレーはクルマ内部の情報と連携、操作する情報端末となっている。

 カーナビの利用にしてもクルマの状態と高度に連携したものに進化中で、今後はクルマがインターネットにつながることを重要視するようになってくるのは間違いない。

 今回試用したフォルクスワーゲン Car-Netでは「ビークルヘルスレポート」として車両の異常をネット経由で知らせる機能があるほか、他の車両でも通信で車両の状態をメーカーにフィードバックし、メンテナンスなどに役立てる仕組みは増えている。

 そのため、いちいちスマートフォンのテザリングを使うよりも、クルマのオン/オフ連動で動作するモバイルルーターと格安SIMを積みっぱなしにしておく方法は有効だ。

 Wi-Fiを通して外部接続するクルマやカーナビを買ったら格安SIMの活用を検討してもらいたい。

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