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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第271回

24時間のライフログを付けて生活の棚卸しをするワザ

2018年03月24日 10時00分更新

文● 柳谷智宣

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記録するだけで生活が改善され
棚卸しでさらなる高みへ

 ライフログを取り始めるとすぐに体感できるのが、時間の大切さ。単にボタンを押して時間を計測しているだけなのだが、何もしてないときと比べて、圧倒的に無駄なことをしなくなるのだ。本来、誰でも時間の大切さを知っているはずなのだが、何かフックがないと腹に落ちないのは心の弱さ故か。この辺りは、毎日体重計に乗ったり、食べたものを記録するレコーディングダイエットとまったく同じロジックと言える。

 アプリの操作が超簡単なうえ、手間もかからないので三日坊主にならずに済む。タッチしただけでカウントが始まってしまい、誤操作することもあるのだが、簡単に修正できるのも○。睡眠時間などのカウントを忘れても、後で追加するのも手間がかからない。

 遊ぶときも行動をカウントするので、能動的に割り切って集中できる。時間を管理しているので、仕事に追いかけられているような漠然とした不安もない。さらに、1時間当たりのアウトプットを明確に把握できるようになるので、作業の見積の正確性が向上する。たとえば、4000文字の原稿は2時間くらいだろうと考えていたのに、実際は平均4時間半かかっていることが判明するといった具合だ。今までなら2度寝していたタイミングでも、今起きれば1万円分の時間を得られる、と思えば自発的に起きられるかもしれない。

何か行動する際は、必ずtogglでカウントしてデータを溜めよう

記録を付け忘れたら、「Manual Mode」をクリック

日時を指定して、行動を記録できる

 ざっくりしたデータはダッシュボード(Dashboard)で確認できる。よく計測されている項目が円グラフで表示される。「This Week」をクリックするとカレンダーが開き、任意の期間を選択して計測できる。昨日や先週、先月だけでなく、18日から27日までといった集計も可能。どんな行動にどのくらい時間を費やしているか、細かく棚卸ししてみよう。1日10時間くらい働いているつもりなのに、集中して仕事しているのは5~6時間だった、なんてよくあること。稼ぐためだったり成長するために使っている時間が足りないようであれば、ドラスティックに生活を改善させるチャンスだ。

「Dashboard」を開き、時間配分をチェック

カレンダーから任意の期間を分析できる

睡眠時間に匹敵するくらい毎日飲んでいることが判明

「Repoets」では、小カテゴリーごとにどのくらいの時間を費やすいているのかをチェック

大カテゴリー(Client)や小カテゴリー(Project)、キーワードなどを指定してデータを絞り込める

「Export」メニューからPDFやCSVなどでエクスポートできる

PDFでデータを残しておける

スマホアプリでも同様の分析が可能

 デフォルトのままでも問題なく利用できるのだが、デスクトップアプリの設定画面からカスタマイズするとより使いやすくなる。「Idle Detection」をオンにすれば、指定した時間操作しないと時間のカウントをどうするか確認してくれる。アイドル時間を破棄すれば、より正確なカウントが可能になるのだ。togglのウィンドウをオンオフしたり、カウントをスタート・ストップするショートカットキーを設定することもできる。キーボードメインで操作している人は設定しておこう。

 「AUTOTRACKER」では、利用するアプリと小カテゴリー(Project)を紐付けることができる。筆者が執筆に使っているエディターを登録し、執筆作業に紐付ければ、アプリをアクティブにするだけで「START」ボタンがポップアップするようになるのだ。

設定メニューから「Preferences」をクリックすると設定画面が開く

「AUTOTRACKER」タブでアプリ名とProjectを選択し、「ADD」をクリックする

エディタをアクティブにするとポップアップが開き、ワンクリックでカウントをスタートできる

 自分が付けたデータを元にしたグラフで、無駄な行動が明らかになるので、人から説教されるよりはずっと改善しやすいはず。わかった気になって結果につなげられないくらいなら、1日数分のタップ時間で圧倒的な働き方改革を実現した方がお得だ。

 もし、試してみて本格運用するなら、有料プランにするのもお勧め。月額9ドルのSTARTERプランは、FREEプランよりも詳細なレポート機能やプロジェクト管理機能、Googleカレンダーとの連携機能などを利用できる。何より、お金を払っていれば、常用するモチベーションにもなる。1ヵ月間の無料試用も可能なので、まずは試してみることをオススメする。

高機能な有料プランも用意されている


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


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