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さとうなおきの「週刊アジュール」 第24回

顔認識AI「Face API」で100万個の顔が登録可能に

カード不要で使える学生向けAzure無料アカウントが登場

2018年03月08日 09時30分更新

文● 佐藤直生 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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 こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、先週の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。

学生向けの「Azure for Students」

 新しい「Azure for Students」は、学生向けの無料のAzureプランです。登録にクレジットカードが不要で、1年間有効な100ドル(11500円)のAzureクレジット(無料枠)があります。

 また、通常のAzure無料アカウントと同様に、Azureクレジットとは別に、12か月間、さまざまなAzureサービスを無料で使えます。たとえば、毎月、B1SインスタンスのLinux VM、Windows VMをそれぞれ750時間、無料で使えます。

 Azure for StudentsとAzure無料アカウントの違いは、クレジットカードが不要であり(Azure無料アカウントでは必要)、Azureクレジットが1年間有効な100ドル(11500円)(Azure無料アカウントでは30日有効な200ドル(22500円))である点です。12カ月間無料で使えるAzureサービスについては、同じ内容です。

 Azure for Studentsに登録するには、18歳以上であり、正式認可を受けた4年制以上の学位授与教育機関の理数/工学/技術関連分野に登録されているフルタイムの学生(簡単に言うと理系の大学生)である必要があります。条件に合致する学生の皆さんは、是非Azure for Studentsに登録してみてくださいね。

 詳細は、ブログポスト「Students: Get career-ready with Azure for Students」「Azure for Students」をご覧ください。

Azure for Students

Azure MigrateがGA

 Azure Migrateは、オンプレミスのVMware環境のAzureへの移行を支援する無料サービスです。オンプレミス環境の検出、アセスメント、依存関係のマッピング、VMのサイジングなどが可能です。そして、Azure Site Recoveryを使ったIaaSのAzure Virtual Machinesへの移行、Azure Database Migration Serviceを使ったAzure SQL Databaseを行うことができます。

 Azure Migrateは、2017年9月のIgnite 2017カンファレンスで発表され2017年11月にパブリックプレビューになっていました。

 今回、Azure MigrateがGA(一般提供)になりました。Azure Migrateを使って、オンプレミスのVMware環境のAzureへの移行の計画を立ててくださいね。

 詳細は、ブログポスト「Confidently plan your cloud migration: Azure Migrate is now generally available!」ドキュメントをご覧ください。

Azure MigrateによるオンプレミスのVMware環境の評価

Microsoft Cognitive Services:Custom Vision Service有料プレビュー、Bing Entity Search APIのGA

 Microsoft Cognitive Servicesは、画像認識、音声認識、自然言語処理といった、AIを活用したAPIサービスです。

 Microsoft Cognitive Servicesの1サービスである「Custom Vision Service」は、カスタムの画像分類モデルを構築するサービスです。

 Custom Vision Serviceは、2017年5月のBuild 2017カンファレンスで発表され、無料で使えるパブリックプレビューとなっていました。このパブリックプレビューは、Custom Vision Serviceポータルで利用可能です。

 今回、Custom Vision Serviceに有料のStandardレベルが導入されました。Microsoft Cognitive Servicesの他のサービスと同様に、Azureポータルで、価格レベル(無料のFreeレベル、または有料のStandardレベル)を指定して、Custom Vision Serviceリソースを作成できるようになりました。

 Microsoft Cognitive Servicesの1サービスである「Face API」は、画像の顔認識、顔識別を行うサービスです。Face APIは、2017年4月にGAになっています

 Face APIでは、事前にPersonGroupに既知の人の顔を登録しておくことで顔識別を行ったり、FaceListに登録された顔の中から類似した顔を見つけたりすることができます。これまで、登録可能な上限は、PersonGroupでは1万人、FaceListでは1000個の顔でした。

 今回、これらの上限が大幅に拡張されました。新たに導入されたLargePersonGroup、LargeFaceListでは、それぞれ100万人、100万個の顔を登録可能になりました。

 Microsoft Cognitive Servicesの1サービスである「Bing Entity Search API」は、検索語を基に関連するエンティティ(有名人、場所、映画など)を特定するサービスです。

 Bing Entity Search APIは、2017年7月に、無料のパブリックプレビューになっていました。今回、Bing Entity Search APIがGAになり有料の価格レベルが導入されました。

 詳細は、ブログポスト「AzureのMicrosoft Cognitive Services ビジョン/検索サービスにおける新たなマイルストーンを発表」をご覧ください。

Face APIによる顔識別

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