VIVE Proは快適な着け心地感を実現するための全体の重量バランスの調整などが、最も苦労した点だという。従来のVIVEは長時間着けていると、頬骨の上辺りが痛くなる傾向があったが、VIVE Proは後頭部に当たるスポンジも大きくなり、トータル重量は従来機よりもやや重いようだが、ディスプレーを備えたヘッドセット部は従来機よりも軽量化。顔に当たるクッション部分もより広くなり、眼鏡もより入れやすく、眼鏡着用のままでも快適にプレイできるようになっとのこと。
VIVEはベースステーションと呼ばれるデバイスを対角線上に2つ置き、その間の空間を歩くことで、VR空間の移動を可能とするルームスケールに対応する。一方VIVE Proは将来的に新型のベースステーション2.0に対応し、それを4つ利用することで、最大10m×10mの広範囲でのプレイが可能だが、従来のベースステーション&コントローラーでも利用できる。
まだ、価格や発売時期は明らかにされなかったが、ヘッドマウントディスプレー(HMD)と、PCとの接続に利用する新型のリンクボックスのみをセットとしたアップグレードキットを発売する予定とのこと。そのため、すでに従来のVIVEを持っている人は、ベースステーションとコントローラーを併用することでVIVE Proが利用可能になる。
もちろん、ベースステーション2.0とコントローラーも備えた、VIVE Proのフルパッケージも販売される予定だが、アップグレードキットの後になるようだ。ちなみに、従来のVIVE用コントローラーは、ベースステーション2.0に対応していないため、ベースステーション2.0を使ってVIVE Proを使用する場合には、後に発売されるベースステーション2.0対応のチップを備えた新型のコントローラーが必要とのこと。
VIVE Proはリンクボックスも、従来より進化している。VIVE Proから伸びるケーブルは1本となり、独自の端子でリンクボックスと接続する。また、従来のVIVEではPCとHDMIで接続していたが、HDMIは廃止されミニDisplayPort接続に変わっている。ちなみにDisplayPort→HDMI変換アダプターは非推奨のため、VIVE Proを利用するにはDisplayPort接続が可能なPCが必ず必要になる。
VIVE Proは前面にVGAカメラを2基搭載するが、これはトラッキングには使用しておらず、現状正式なデモアプリなどはないが、現実の世界を映し出して、デジタルデータを組み合わせるARやMR的な使い方が行なえるようになるという。また、ヘッドセット部の左上部にはUSB Type-Cが備わっており、別途サードパーティーの周辺機器を接続できるようになっているという。従来のVRヘッドセットを使っている人の中にはモーションコントローラーの「Leap Motion」などを取り付け、ハンドジェスチャー操作を取り入れている人もいたので、そういった機器の取り付けに役立ちそうだ。
「VIVE Pro」と「VIVE」のスペック比較 | ||
---|---|---|
機種名 | VIVE Pro | VIVE |
ディスプレー | 対角3.495インチ×2 有機EL | 対角3.6インチ×2 有機EL |
解像度 | 2880×1600ドット(615ppi) | 2160×1200ドット(448ppi) |
リフレッシュレート | 90Hz | 90Hz |
視野角 | 110度 | 110度 |
トラッキング方式 | アウトサイドイン | アウトサイドイン |
最大トラッキング範囲 | 10m×10m | 4m×3m |