ドコモテレビターミナルを市場に投入する理由
――「ドコモテレビターミナル」は、高性能なAndroidTV端末としてかなり魅力的な機器です。ただし、1万円台後半という価格は、やや高いのではとも感じるのですが
山脇氏:4K HDR対応で税込1万6848円ですので、アップルの「Apple TV 4K」(税込2万1384円)と比べてもお求めやすい金額だと考えています。ただし、ドコモ光を契約していただけるとdポイントを8000ポイントプレゼントする「ドコモテレビターミナルキャンペーン」(2018年3月31日まで)を実施しており、キャンペーンを適用すると実質半額ぐらいになるでしょうか。また、月々650円(税抜)の分割払いという選択肢も用意しています。
――ドコモとして、機器の提供だけでなくテレビメーカーへの対応を働きかけたりという動きは?
山脇氏:以前から各テレビメーカーと連携し、アプリを組み込んでいただくなどの取り組みは実施しています。どんな環境でも映像を見られる世界を提供するのが重要だと考えており、ドコモテレビターミナルも「ドコモで見られるデバイスはないの?」という要望に対しての答えです。映像はスマホに加えてテレビでも見ていただけると、より映像の良さがわかりますし、生活にも定着しますので併用していただけたらうれしいですね。
――ドコモには「dTV」と「dTVチャンネル」のほか、「dアニメストア」「DAZN for docomo」もあります。各サービス間の横断的な展開などは?
山脇氏:ドコモテレビターミナルは4つのサービスの利用だけでなく、横断したレコメンド表示などにも対応しました。
サービスの相互利用や相互編成もやっていきたいです。「dTV」はエイベックス、「dTVチャンネル」はNTTぷららとパートナー企業は異なりますが、3社で「dTVチャンネル」でのライブ配信から「dTV」の動画に誘導するといった施策は実現したいです。
専門サービスとして、「dアニメストア」は尖ったラインアップで人気を博しているほか、「DAZN for docomo」のスポーツ配信は、特に見たい方は外出先でも絶対に見たいサービスです。ただし、特に「DAZN for docomo」のスポーツは規模感がかなり異なるビジネスなので、「dTVチャンネル」の編成に入れていません。ですが、「dTV」「dTVチャンネル」「ひかりTV for docomo」とのセット割引は用意しています。
――ドコモテレビターミナルはAndroid TV採用によるオープンさが魅力です。ですが、実際には「Amazonプライム・ビデオ」「Netflix」など、一部サービスがあえて対応しない場合もあります。ドコモはどういった対応を考えているのでしょうか
我々としては、ドコモのサービス以外にも使っていただきたいですし、視聴できるようになればいいと思っています。ですが、我々が用意しただけで事足りるという話ではありません。今後のいろいろなビジネス面の交渉次第ですね。
dTVチャンネルのこれからの改善点
――dTVチャンネルで今後取り組みたいサービスは?
山脇氏:「dTV」と「dTVチャンネル」のアプリ間連携と、相互編成ですね。まだ「dTVチャンネル」はできたばかりなので、先にUX(ユーザー エクスペリエンス)やベース部分の改善を進めることになります。ですが、「dTV」とのシナジーは優先順位を上げて取り組んでいきたい部分です。
――ドコモは2020年や5Gに向けて、多カメラや高速通信を組み合わせた「FUTURE-EXPERIMENT」を展開しています。こうした取り組みも「dTVチャンネル」などで楽しめるのでしょうか
山脇氏:今のところは別の部署による技術面でのアプローチで、5Gの時代にはこういったことができる、という提案の段階です。まだ決まったものはありません。ですが、通信の発達が動画配信を進化させてきました。技術がこなれてくれば、足下のサービスにも活用できると思います。2020年の「dTV」と「dTVチャンネル」で、これまで以上の新しい楽しみ方を提供できたらといいなと考えています。