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麻倉怜士のハイレゾ真剣勝負 第21回

Sgt. Pepper'sやスター・ウォーズをハイレゾで楽しむ

麻倉推薦:オリジナルのビートルズ音源は素材、現代感覚のリミックスに驚嘆

2018年02月04日 12時00分更新

文● 麻倉怜士 編集●HK(ASCII)

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Heggie: Great Scott
Joyce DiDonato

 アメリカの人気現代作曲家ジェイク・ヘギーの新作オペラ「グレート・スコット」。歌劇とサッカー試合の物語だ。主役はアメリカの世界的メゾ・ソプラノ歌手、ジョイス・ディドナート。新作と言ってもメロディが豊富で、とても親しみやすい。

 序曲からして躍動感に溢れ、次ぎにどんな音が出てくるのだろうと、ワクワクさせてくれる。本筋もまるでミュージカルのような分かりやすさと華麗さ、前進力がある。音質は素晴らしい。ダラスの劇場でのライブ収録だが、ひじょうに明瞭で、クリヤーだ。歌唱では適切な響きが会場から与えられるが、一方でダイアログも明晰だ。オーケストラも、伴奏のピアノも雰囲気が良い。2015年10月、11月、ダラス、ウィンズピア・オペラハウスでのライヴ収録。

FLAC:96kHz/24bit、192kHz/24bit
Warner Classics、e-onkyo music

新しい世界
笹川美和

 アルバム「新しい世界」より2曲が先行配信。「紫陽花」は偉容なベースを主体に明確なリズムで始まり、太く、剛性の高いヴォーカルが重なる。心をくすぐる魅力的な歌声。地声の安定感と時折入る裏声のチャーミングさが対象的だ。

 個々の音像を立てずに、ヴォーカルとバンドが混然的に融合する集中力の高い音場だ。その分、トータルなのテンション感と鮮鋭度が高い。「家族の風景」はピアノとヴォーカル。声の繊細さ、勁さ、音色感がハイレゾ(48kHz/24bitだが)で見事に捉えられている。ここでは音像は明確だ。モノローグ的な質感が高い説得力を持つ。

FLAC:48kHz/24bit
cutting edge、e-onkyo music

東京
JUJU

 映画『祈りの幕が下りる時』主題歌でJUJU36枚目のシングル。JPOPの最新版だ。以前はハイレゾとはいまひとつマッチしないミキシング、マスタリングがJPOPには多かったが、本作はハイファイ性と、音の芯の力強さ、ヴォーカルの主張力の強い音調が、上手くバランスしている。

 ベース、ドラムス、キーボード、ストリングスで構成されるバンドの音響が明瞭だ。ヴォーカルの粒立ち、鮮明さ、輪郭も確かさが、明瞭なメッセージを伝えている。「藍」の高密度なアコースティックさも素敵だ。

FLAC:96kHz/24bit
Sony Music Labels、e-onkyo music

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