おーい、NAMMが終わったぞー!
毎年恒例、世界最大の楽器見本市「NAMM2018」が、1月25日から28日の4日間に渡ってアナハイムのコンベンションセンターで開催され、めでたく終了したらしい。と、実際には行っていないので推定である。
聞くところによると、例年より規模が拡大したので、とても4日間で見て回れるボリュームではなかったとか。やっぱりインターネットで検索しまくる方が全然効率がいいのだ。今年も行かなくて良かった、ああ良かった本当に良かったなあ。
全体をとおして見ると、規模が拡大した割には、大きな製品発表はなかったようだ。何しろ大きな発表があれば、ネット越しにでもすぐ伝わってくるご時世なのだから。でも小粒ながら、ビリリと痺れる製品はいくつも出展されていたようだ。
で、今年の一等賞はコレじゃないだろうか。ビリビリ系。
プラズマ放電ディストーション「PLASMA PEDAL」
これは大変。なんとキセノンガスを封入した放電管に、3.5kVの電圧をかけてビリビリやった結果を音にするというもの。前代未聞の、まさしくハイボルテージなディストーション「PLASMA PEDAL」。
まず見た目最高! ビリビリ来そうな危ない感じが最高にロックであり、ピッキングに合わせて放電する様子もまた実にカッコいい。でも大丈夫なのかそれ?
そう来場者が訝るだろうことを想定してなのか、ブースに立つメーカーの人もサングラスをかけてヤバい感じを出していて、これまた最高だった。
コントローラーは5つ。BLEND、DRIVE、LOW FRQ、HIGH FRQ、そしてVOLTAGE。それぞれ生音/エフェクトの混合レート、歪み量、低域EQ、高域EQ、そして音量となっている模様。
メーカーはこのプラズマ放電ディストーションの利点について、ナチュラルなノイズゲート効果がかかること、と言っている。確かに放電に達しない電圧に下がると、信号も切れて音も出なくなるので、当然そういうことになる。
サウンドもハイスピードなブチブチ系の刺激的なタイプ。YouTubeに上がっているデモ動画を聴く限り、往年のコンパレーター式ファズのようで、リングモジュレーターのようにオクターブ上の成分もちょっと乗っているようにも聴こえる。
このプラズマディストーションを出展したのは、去年のNAMMでピアノのサスティンペダルの形をしたルーパー「PLUS」を発表した、ゲームチェンジャーオーディオ。
今回の出展作は、まだプロトタイプで価格も発表されていない。が、なにしろ見た目がロックだ。見たらみんな欲しくなる。少なくとも私は欲しい。これをさらに大掛かりにして、テスラコイルを使ったファズなんかできないのか、なんてことも思う。
アナログのエフェクトペダルは、長い間新しい技術やアイデアが入ってこなかったおかげで、オーディオの世界のように、なにやらウンチク臭い世界になってきた。だからこういう発想の大転換、ゲームチェンジは大歓迎だ。いいぞ、もっとやれである。