とにかくパワフル、圧巻の駆動力に震える
内部は大型のEIトランスを中心に据えたシンメトリーデザイン。これは1970年代末に開発した「POA-3000」以降の伝統とのこと。EIトランスはコアサイズが111mm、積圧が90mmで、重量は8.2㎏もある。電源部も強力で、13ch同時出力時は実測で1557W/8Ωの出力ができるという。ブロックコンデンサーはAVR-7200Wと同様カスタムで、22000uFと大容量になっている。
DSPはアナログデバイセズ製「SHARC」プロセッサーの最新版を採用した。13.2chプロセッシングに対応(デコードやアップミックス)。ドルビーアトモスで7.1.6ch(DTS:Xでは規格上7.1.4chまで)に対応するほか、Auro-3Dの13.1chにも対応(5月に無償ファームアップ)予定。また9.2chなどフロントワイドchの利用も復活した。プリアウトは15.2ch分持つ。
AVR-7200Wの4チップから2チップになったが、デュアルコア化しているので、処理速度やメモリー速度は上がっているという。
オーディオ回路としては、入力セレクターと、13.2chのボリューム、6基あるアンプアサイナー部を独立している点が特徴。1チップでまかなうケースもあるが、JRCと共同で最新CMOSプロセスを使用したチップを開発した。
13chのアンプの割り振りは、プリセットでDolby Atmosの「7.1.6ch」(天井用に6スピーカーを使用)やAuro-3Dの「13.1ch」などが用意されている。これを基本にしつつ、フロントスピーカーだけをバイアンプにした「11.1ch」や、フロントスピーカーを2種類用意して、サラウンド再生用とマルチチャンネル用を使い分けられる「11.1ch+2chモード」なども選べる。最近ではサラウンド用にも低域成分を含むソースがあるので、5.1chすべてのスピーカーをすべてラージタイプにして、バイアンプ駆動するといった使い方も面白いかもしれない。
6つあるアサイナを利用して、これ以外にも自由自在なスピーカーアサインが可能だ。
D/AコンバーターはAKMのAK4490を8個(15回路分)使用。専用基板にマウントしている。デノン独自の「AL32 Processing」は全チャンネルに適用可能。残響と低域解像度の向上につながるという。また「Audyssey MultiEQ XT32」による音場補正機能も持つ。
これらデジタル回路用の電源は、ノイズコントロールのため、専用基板のうえに構成している。さらにスイッチング電源も3倍の速度に上げ、スイッチングノイズを可聴域外に出すといった工夫も盛り込んでいるそうだ。
シャーシに関しては3層構造にになっており、通常は1mm程度の厚さが多い中、ボトムシャーシを1.2mm厚にして、さらにトランスプレートを1.2mm、、ボトムプレートも1.2mmとすることで、合計3.6mm厚のシャーシとなっている。
映像面ではDolby Visionや、HDMI 2.1で標準となるE-ARCにも対応する予定(すでに発表済みのAVR-X4400から対応予定)。これはオブジェクトベースの信号をARC経由で受けられるものだ。HDMI 2.0の機種だが、ファームアップでHDMI 2.1に対応予定。
dts VERTUAL Xにも対応。またHEOS機能を利用したネットワーク再生、ストリーミング機能なども装備。新版の「AVR Remote」を使った操作のほか、より詳細な調整が可能な有償アプリ「Auddysey MultiEQ Editor Apps」との連携も可能だ。
プリアウトは15.2ch、アナログ入力は7.1ch。スピーカーターミナルは15系統用意している。2段あるうちの上段ターミナルは、Auro-3DやDolby Atomosのハイト用など柔軟に対応できる。