F1技術の結晶! スピードの化身・マクラーレンのエントリーモデル「570S」に乗った!
2017年12月23日 12時00分更新
どこまでも走っていくかのような加速感
これでエントリーモデルなんですか!
先ほども触れたが、570Sはマクラーレンのエントリーモデルという位置付けだ。570Sのお値段は2556万円。720Sが3338万円、最上級のP1にいたっては1億円なので、なるほどたしかにエントリーモデルだ。スマホで言うところの1~2万円モデルみたいな感じだろう。
スペックを見ると、エンジンが3.8リッターのV8ツインターボ、最高出力が570PS/7400rpm、最大トルクが61.2kgm/5000-6500rpm、0-100km/h加速3.2秒、最高速度328km/h。レイアウトはミッドシップの2シータークーペで、サイズは全長4530×全幅2095×全高1202mm、車重は1344kg。
驚くのはその全高と車重。前回載ったフェラーリ・488 GTBの全高が1213mm、車重が1370kgということからも、低くて軽いことがわかる。レースカーとしてはかなりの優等生である。
とはいえ、この車高と全高の低さはサーキットではプラスだが、一般道では非常に気を遣ってしまう。まず、乗り降りが大変。ゴーカートのような低さは楽しいのだが、とくに女性が大変そうだ。現につばさは毎回苦労していた。車高が低いので、コンビニやファミレスの駐車場で擦ってしまいそうになるのだが、前輪のみリフト機構があるので実はそんなに大変ではなかった。一般道の段差はちょっと心配だったが。全高の低さは、まわりにトラックがいるとより不安になる。見えなくて、突っ込んで来られると非常に困る。今回の試乗ではとくにトラックとは距離を取って走った。飛び石も心配だし。
一般道での走行は全幅が2メートルを超えていることもあって、かなり窮屈になるが、高速道路を走ると一転、水を得た魚のように軽快に駆け抜ける。車重は1313kgだが、全体的にずっしりとした印象でステアリング操作もアクセル、ブレーキともに動作が「重い」。しかし、それは安定感があるということで、ステアリングは細かく左右に切れるし、アクセルもブレーキもしっかり踏んで走る・止まるという動作なのでうっかり踏みすぎで急加速なんてことになりにくい。
ただブレーキはかなりギュッと奥まで踏まないと完全に効かないので、信号待ちなどで軽く踏んでスマホとかいじっていると、ジリジリと前に進んでしまうため注意が必要。ある程度の踏力が必要とされるのはレーシングカーっぽい。アクセルは跳ね返りが強いので、速度の微調整がしやすかった。アクセルは軽いより重いほうが好みだ。
走行中は7速SSG(シームレスシフトギアボックス)が軽快にギアをアップダウンしてくれるので、ノーマルモードで何も気にせずに走れる。サーキットだったら回転数高めにシフトチェンジをする「スポーツモード」や「トラックモード」がいいだろう。このモードもハンドリングとドライブトレインをそれぞれ独立してモードチェンジできるので、よりドライバーの好みにあった走りができるようだ。
今回はどちらもスポーツモードに変更して走ってみたが、マフラーからの音が大きくなり、アクセル開度次第ではギアをレッドゾーン付近まで引っ張ってくれて、足回りは路面の凹凸を激しく拾うほど変わった。燃費の消費も目に見えてわかるくらい大きくなる。でも楽しくて、ガソリン空っぽ寸前まで走ってしまった。5000円分入れても満タンにならなかったくらいおサイフに厳しい……。
アスキー的な話をすると、センターコンソールに7型タッチパネルスクリーンがあり、スマホやオーディオプレイヤーをBluetoothで接続して楽しめる。スマホと連動などの機能はなく、あくまでも電話や音楽のみ。またエアコンの調整や車両の状態などもチェックできる。物理的なボタンでできないことは、だいたいここで調整する仕組みだ。サウンドはBowers&Wilkinsのスピーカーが搭載されているので高音質のサウンドが堪能できるのだが、こういうクルマではエンジン音を聞いていたいところ。そもそも、スポーツモードで走っているとエンジン音で音楽がかき消されてしまう。かといって、オーディオを大きくすると外の音が聞えなくなるので危ない。
デザイン面を見ると、曲線を多用した、宇宙船のようなフォルムが目を引く。フロントとリアで印象が違うのは、リアまわりはカーボンそのままのカラーで黒いからだろう。今回お借りしたクルマのカラーはヴォルカノイエロー。まぶしいほどの黄色で、スマホのカメラによって色が出たり出なかったりというデザイナー泣かせのカラーだ。LGエレクトロニクスのV30+は比較的色の再現性に優れていたが、iPhone Xだとやや暖色に引っ張られてオレンジっぽくなっていた。そしてなんといっても、上に開くディへドラルドアがカッコ良すぎる! 動画収録中に修学旅行生の一団に遭遇したのだが、ドアを開いたら「カッケー!」と騒然となっていた。キミたち、その感性を忘れないでね!
570Sは走る楽しさをスポイルすることなく、電子制御でドライバーを守っているという印象だった。クルマの基本である、走る・曲がる・止まるを高次元でバランスさせ、運転が苦手な人でもドライビングプレジャーを味わえ、サーキットではそのポテンシャルを発揮できる、まさにエントリー向けのモデルだった。機会があれば720Sもレビューしたい。
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