MRヘッドセットをご存じだろうか。VRは、ニュースや雑誌で取り上げられ割と一般的に浸透してきているが、MRと聞くと触ったこともなければ、ピンと来る人は、まだ少ないだろう。
MRはMixed Reality(複合現実)の略称で、現実世界と仮想世界を融合させたような映像をつくり出すAR、VRを含めた広義な意味を持つ技術の総称だ。マイクロソフトは、その技術に対応したプラットフォームを2種類展開している。最初に登場した「Microsoft Hololens」は、透過型のディスプレーを備え、現実世界の映像にCGを表示させるモノ。こちらはCPUやGPUも搭載し、開発者キットも高価なためエンスージアストといくつかの企業が採用しているのみ。
今回取り上げる「Windows Mixed Reality」に対応するデバイスは、前面のトラキッキング用のカメラと内蔵センサーにより、外部センサーなしでトラッキングを実現する没入型ヘッドセット。マイクロソフトは、ゆくゆくはARへの対応も見据えていたりもするが、現状はVRコンテンツを楽しむのみとなっている。
しかしながら、後発で登場してきたゆえもあるが、マイクロソフトが起点となっているだけに、OSとの連携も良く、セッティングの手軽さ、使用条件の幅の広さは他のVRデバイスにはない魅力。OSが「Windows 10 Fall Creators Update」適用済であるという絶対条件はあるものの、ハードウェア要件の幅が広いため、従来のVRヘッドマウントディスプレー(HMD)を使うための高いハードウェア条件が壁となり、VRをPCで楽しむことができなかった人には持ってこいの製品となっている。
対応製品は国内では5社が販売しているが、いち早く製品化されたのが、Acer Windows Mixed Realityヘッドセット「AH101」だ。基本スペックは他社製品と同じだが、重量が440グラムと軽め。発売当初は600グラムを超えていたHTCの「VIVE」や、編集部での実測で510グラムだった「Oculus Rift」よりも軽い。
また、他社製がデルの白以外、黒のみといったところ、唯一「青」と若者にも好まれる色を採用で、PCデバイスといった堅苦しいイメージがないのが好印象だ。