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“観光ツール”として実績を積み重ねる「MOVERIO」 - 長野・阿智村「日本一の星空」の新たな試み

2017年12月27日 16時00分更新

文● 小山安博、編集●ハイサイ比嘉

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ヘブンスそのはらにオープンした「天空の楽園 Winter Night Tour 2017 STARS BY NAKED」。12月9日から2018年3月31日まで、富士見台高原ロープウェイ ヘブンスそのはらにおいて開催

 「日本一の星空」をうたう長野県下伊那郡阿智村は、その満天の星空を生かした観光施策に力を入れている。富士見台高原にあるゴンドラを使ったナイトツアーが人気だが、10月21日にはそれも終わり、新たな施策として打ち出されているのが「天空の楽園 Winter Night Tour 2017 STARS BY NAKED」だ。12月9日から2018年3月31日まで、富士見台高原ロープウェイ ヘブンスそのはらにおいて開催され、星と宇宙をテーマにしたエンターテインメントを楽しむことができる。

 そのエンターテインメントのひとつに活用されているのがエプソンのスマートグラス「MOVERIO BT-350」だ。しかも、「現実を拡張する」というAR(Augmented Reality)の特徴を活かした上で、「日本一の星空」を目の当たりにしながら、来訪者がより凝った演出を楽しんだり、詳細な情報を手にしたりできるよう工夫されている。観光地におけるMOVERIO活用を探るべく取材を行なった。

冬季でも「日本一の星空」を満喫できる体験型イベント「天空の楽園」

 天空の楽園は、阿智村が去年から仕掛ける新たな観光イベントだ。阿智村はもともと環境省の「全国星空継続観察」による「星が最も輝いて見える場所」に認定されたことがあり、「日本一の星空」を観光資源として活用している。それを生かして山頂で星空観察ができるナイトツアーを実施しているが、冬季はゴンドラが利用できないため、ナイトツアーが実施できなかった。

 それを背景に昨年から開催されているのが天空の楽園で、ヘブンスそのはらにエンターテインメント施設が設けられ、来場者にさまざまなコンテンツを提供している。望遠鏡による天体観測だけでなく、大平貴之氏が代表を務める大平技研のMEGASTAR-IIと全天周デジタル映像によるプラネタリウム、アイドルの松井珠理奈さんをナレーターとしたプロジェクションマッピングによる星空などの体験型イベント施設となっている。

プロジェクションマッピングによる美しい映像が楽しめる「CENTER COLONY」

プロジェクションマッピングで浮かび上がった惑星にタッチしてその情報を学ぶことができる「PLANET VIEW」

プロジェクションマッピングと「MOVERIO BT-350」を組み合わせる

 その中で「MOVERIO BT-350」は、会場内を案内するインフォメーションの役割を担っている。会場を入るとすぐに、壁面に会場の模式図がプロジェクションマッピングで浮かび上がっており、ブースごとに各コンテンツの説明文が表示されている。来場者は「MOVERIO BT-350」を装着して気になるコンテンツに視線を向けると、その紹介CGが目の前に浮かび上がるというもの。

エントランスを入ってすぐの案内板もプロジェクションマッピング

 その最大の特徴は、カメラによって壁面のプロジェクションマッピングの画像を認識し、そのプロジェクションマッピングに重ね合わせるようにCGを表示するという点。ちゃんとプロジェクションマッピングにマッピングを重ねるというところが新しい。

MOVERIOを装着して興味のあるコーナーの説明文を見ると、プロジェクションマッピングに重なるようにさらなるCGが表示される

 阿智村は、これまでのナイトツアーでもMOVERIOを活用しており、夜間のロープウェイ内を宇宙船に見立て、約15分間の移動時間中に360度動画をMOVERIO上に表示するコンテンツを用意していた。動画を再生するだけでなく、MOVERIOの加速度センサーや地磁気センサーを活用し、ロープウェイが鉄塔を通過する際の揺れを宇宙船の振動に見立てるといった遊び心も加えて、好評の声が9割に達したという。

阿智村は、これまでのナイトツアーでもMOVERIOを活用しており、夜間のロープウェイ内を宇宙船に見立て、約15分間の移動時間中に360度動画をMOVERIO上に表示するコンテンツを用意していた

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