惜しいのは遅延
低域が足りないと思えば、Windows/MAC/Android/iOS向けのアプリ「Tone Room 」でイコライジングはできる。EQ4バンドにベースのブースターという設定。4つまでプリセットして、本体のボタンから呼び出せる。
とは言えスピーカーの物理的限界があるので、低域ばかり盛ってもバランスが悪くなるだけ。そういう場合はミッドレンジの厚み、そこにVOXの伝統的な良さがあることを思い出そう。
Bluetoothスピーカーとして惜しいのは、iPadやiMacでYouTubeを再生すると、若干の音声遅延があること。正確に計測したわけではないが、おおよそ50ms程度。ドラマや映画なら気にしなければ平気だが、運指やピッキングを見てコピーしようという場合は、イライラするかも。一般的なBluetoothスピーカーと比べて悪いわけではないが、楽器メーカーとしてはがんばってほしいところでもあった。
アンプシミュレーターとしての実力チェックは、また次回に。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ