中古ショップでiPhone 6sとGalaxy S6をゲットする
翌朝、まずは銀行へ。外国人が会社を起こす際の資本金は引き上げられており、最低金額は10万ドル。とはいえ、大きな店をやるつもりなので、18万ドルを送金済み。しかし、なぜか通帳もカードももらってなかったので、発行しに行ったのだ。もちろん、この手の交渉は通訳さんがいなければ不可能。同行してもらった。
その後はさっそく、現地で使う携帯電話とSIMをゲットしに行く。中古で構わないのでその手のショップがひしめき合うデパートへ案内してもらった。もちろん、日本の光景とは全然違う。ガラスケースにぶわーっと裸の端末が並んでいる。ガラケーやよくわからないAndroid端末もあるのだが、iPhoneやGalaxyの新しめの機種も多い。iPhone Xまで普通に並んでいる。
購入したのは2台。iPhone 6sを78万トゥグルグ、Galaxy S6を32万トゥグルグで買った。どちらも、ドイツで使われていた端末だ。それぞれ、3万6000円、1万5000円というところか。現場でSIMを差し、通話できることを確認することが重要。紙幣が2万トゥグルグが最大なので、なかなか高い買い物に見える。実際、こちらの平均月給は4万円前後なので、スマホは高級品だ。
通訳さんは20代の女性だったが日本語が上手だったので、同行中に質問攻めした。モンゴルのスマホ割合を聞くと、iPhoneとAndroidユーザーは半々だという。すごく驚いたのだが、彼女はGalaxyだった。こちらは、後程追加で調査することに。
スマホを買うと、ケースとフィルムも勧めてきた。こちらでは、スマホにはみんなガラスフィルムを貼るそうで、iPhone 6sに付けてもらった。1分くらいでその場で貼ってくれ。気泡も入っておらず慣れたもの。ケースとフィルムで1万5000トゥグルグ(700円)。Galaxy S6にはフィルムがすでに貼られており、ケースは不要と言うとサービスで変なケースをくれた。やはり、寒さから落とすことが多いので、ケースやフィルムは必需品とのこと。なお、マニュアルやケースはもちろんないが、充電ケーブルは新品をくれた。iPhoneのケーブルもAppleの新品のようで、どこから手に入れているのか、気になった。
続いて、SIMを買いに行く。通信会社はユニテルとモビコムの2強で、どうせならということで通訳さんと同じユニテルにすることに。ユニテルのショップに行き、SIMを買おうとするが、何かもめている。外国人にはSIMを売れない、というのだ。下調べで、パスポートさえあれば買えるとあったのだが、NG。そこで、通訳さんが代わりに契約してくれることになったのだが、それでもパスポートが必要になる。もちろん、彼女はパスポートを携帯していなかったがが、なんと近くの端末から出力できるという。日本よりはるかに進んでいて驚いた。そして、ユニテルに戻り、2回線をゲットした。
基本はプリペイドタイプで、残高がなくなりそうなら電話番号でチャージできる。わざわざショップまで出向かなくても、提携している店ならどこでも可能だ。ちなみに、後日聞いたところ、やはり外国人でもユニテルのプリペイド回線を購入することは可能。店頭のスタッフの暴走だったようだ。
現地の人は、どんな連絡手段でコミュニケーションしているのか聞いてみると、仲が良ければ電話が多く、テキストではFacebookメッセンジャーがメインとのこと。ビジネスなどで、記録を残したい時には電子メールを使うそう。今回会った人は全員Facebookのユーザーだった。とはいえ、それほどネット中毒というわけでもないようで、日本のように全員がスマホをいじっている、というような光景は見られなかった。
モンゴルは車社会で、走っているほとんどの車がトヨタ。中でもプリウスがぶっちぎりのシェアを獲得している。そして、非常に運転が荒い。教習所などで習う習慣がないので、みんな鬼のような走行。クラクションは鳴り響き、よくその間隔でぶつけないなというほどくっついて運転している。案の定、接触事故はよく起きているようだ。しかし、速度が出せないので重大な事故はあまり起きないそうだ。
その夜は、神戸大学に留学していた通訳さんと合流し、現地の流行店に連れて行ってもらった。モンゴル大学の学生しか行かないような格安バーだそう。タクシーで行こうかと思ったら、つかまらず20分くらいならと歩いた。筆者は、ワークマン装備でまったく寒くなかったのだが、マイナス25度を超える中歩き続けたので、実は後ろで共同経営者は死にそうになっていた。負けず嫌いだから歩いているときは何も言わなかったそう。温度が低すぎると寒いというか、痛いとか気持ち悪いとか別の感覚になるのだ。
ついたのは、TSEという1ドルバー。何だろうと思ったら、全品2900トゥグルグ=約1ドル、というお店。汚い若者向けかと思ったら、おしゃれで広く綺麗で、個室まである。満席だったが、有料の個室だけ空いていた。チャージを聞くと、1時間1ドルとのこと。もちろんビールも1ドル。5杯同時に頼めば、6杯持ってきてくれるという。
ここで、ちょっとモンゴルでのビジネス談議にヒートアップし、途中からウォッカに変えてよくわからないくらい飲んでしまい、さらにはしごして記憶を失う。モンゴルでは酔って外で寝て凍死してしまう、という事故があるそうで注意が必要だ。
モンゴル3日目、11月15日はマッチングサイトで知り合った日本人ガイドさんと、家電量販店や盗品闇市場を巡ったり、モンゴル科学技術大学に行って学生さんと交流。16日にはマンションの契約と破棄、電撃契約から速攻引っ越し、ネット開通。こちらの様子は、次回ご紹介する。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。
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