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セールスフォース、コラボレーション分野の切り札を投入

メンションでドキュメントにアプリを埋め込める「Quip」日本上陸

2017年11月22日 08時00分更新

文● 大谷イビサ/Team Leaders

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11月21日、セールスフォース・ドットコムは「Quipコラボレーションプラットフォーム」の提供を開始した。コラボレーション分野の切り札とも言えるビジネスクラウドで、コミュニケーションやアプリケーションをドキュメントに埋め込むことが可能になる。

レガシーなコラボレーションツールを置き換えるQuip

 Quipコラボレーションプラットフォームは、ドキュメントやスプレッドシートなどを提供するクラウド型のオフィススイートで、チャットが組み込まれているのが特徴となる。2016年8月にセールスフォースが開発元のQuipを買収し、同社のCustomer Success Platformのコラボレーション分野を担うものとして連携を進めている。セールスフォース・ドットコム マーケティング本部の御代茂樹氏は「Customer Success Platformの1つとして格上げされたのは、コラボレーション重視の姿勢の現れだ。ビジネス現場にはコラボレーションが必須ととなる」とアピールする。

セールスフォース・ドットコム マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアディレクター 御代茂樹氏

 Quipが狙うのは、ファイル共有やメールなどレガシーなコラボレーションのリプレースだ。「これまでのコラボレーションツールは、今の仕事の進め方に合っていない」(御代氏)とのことで、ファイルのバージョン管理と共有に悩むユーザーには「リビングドキュメント」と呼ばれるWebブラウザ上でのリアルタイムなファイル更新機能を提供。階層形式で細かくアクセス管理されたドキュメントをベースに、文書や行単位にメンションを付けてコラボレーションできる。また、あらゆるデバイスからコラボレーションできるよう、モバイルファーストを前提に設計されている。

コラボレーションプラットフォーム「Quip」の概要

ドキュメント内に@からアプリを埋め込めるLive Apps

 ここまであれば、G SuiteやOffice 365と機能は似通っているが、Quipでユニークなのは、Quipドキュメントにアプリケーションを直接組み込める「Live Apps」という機能だ。

 Live Appsでは、たとえばドキュメント内に@calendarのメンションを付けると、カレンダーアプリ、@Salesforce recordを付けると、Salesforceのレコードが呼び出せる。ほかにもタスク管理に最適なカンバンボードやアンケート、チェックリスト、カウトダウン、プロセスボードなどが用意されており、必要に応じてQuipのドキュメントからAPI経由で利用できる。

@からカンバンボードを挿入できる

 もちろん「SalesforceのデータをExcelに貼り付けているだけでは、働き方はあまり変わらない」(御代氏)とのことで、Quipに貼り付けたアプリはデータを直接編集できる。「Salesforce Files Connect」を利用することで、SalesforceのレコードをQuipから更新できるという。Live Apps用のAPIもβ版が提供されており、2018年前半にはAppExchange経由でサードパーティのツールを組み込むことも可能になっている。

 また、業界やプロジェクト、チーム機能に特化したQuipドキュメントやスプレッドシートのテンプレートも用意された。タスクやプロジェクトに最適なレイアウトやLive Appsが含まれており、営業向けのテリトリー計画やマーケ担当者向けの製品発表計画、製品担当者向けのロードマップなどのテンプレートが現在開発中。プロジェクトの短縮化に寄与するという。

 価格はQuip Businessライセンスが1ユーザー月額1200円で、Quip Enterpriseライセンスが1ユーザー月額3000円。両者でLive Appsやワークフローテンプレート、Salesforce Files Connectの利用の可否が異なる。

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