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アスキースマホ総研・白書 第61回

iPhone Xって何がすごいの? 機能検証してわかった気になるポイント (1/5)

2017年11月22日 18時00分更新

文● ジャイアン鈴木 編集●ASCII編集部

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スマホの未来は本当か?
ここが変わった「iPhone X」

 アップルは9月13日、iPhone 8、iPhone 8 Plus、そしてiPhone Xの3台の新型スマートフォンを発表した。iPhone 8と8 PlusはこれまでのiPhoneの正常進化形として開発されたが、iPhone Xは「スマートフォンの未来形」としてデザインされ、魅惑の新機能が追加されている。まずは主な進化点を見ていこう。

目次

以下、ASCII倶楽部会員限定公開

  • 顔認証(TrueDepthカメラ)を徹底的にテストする!
  • どれだけ強力になった!? カメラ機能の進化を探る
  • ホームボタンがなくなった操作は結構快適
  • ワイヤレス充電のメリットとデメリットを検証する
  • アスキースマホ総研がiPhone XとiPhone 8 Plusをクロスレビュー!

 iPhone Xを一目見たときグッとハートを鷲掴みされるのが全面を覆う5.8型の「Super Retinaディスプレイ」。Super Retinaディスプレイには「OLED」(有機EL)パネルが採用されており、広い色域(P3)、625cd/m2の高輝度、100万:1の高コントラスト比を実現している。また「True Toneテクノロジー」が採用されることで、周囲の環境光に合わせた正確な発色が可能となった。

 上の写真は左がiPhone X、右がiPhone 8 Plus。どちらも最高輝度で、TrueToneを有効にして撮影した。並べてみるとiPhone Xのほうが鮮やかで、色に深みがある。なお、iPhone Xは5.8型(1125×2436ドット、458ppi)、iPhone 8 Plusは5.5型(1080×1920ドット、401ppi)と、前者のほうが大画面、高解像度となっている

 全面ディスプレーを搭載し、ホームボタンを排したことにより新たに採用されたのが生体認証システム「Face ID」。このFace IDはドットプロジェクター、赤外線カメラ、投光イルミネーターで構成された「TrueDepthカメラシステム」が用いられている。3万以上の目に見えない光の点をユーザーの顔に照射することで、顔の形状を立体的に認識し、ロック解除などを可能にしている。

 ディスプレー上部には左から、赤外線カメラ、投光イルミネーター、近接センサー、環境光センサー、スピーカー、マイクロフォン、フロントカメラ、ドットプロジェクターが並ぶ。TrueDepthカメラシステムを構成しているのは、赤外線カメラ、投光イルミネーター、ドットプロジェクターの3つだ。

 Face IDは初回起動時に設定する。フレームに顔を収めた状態で、ゆっくりと顔を2回転させるだけで登録可能。指紋認証システムの「Touch ID」より断然早く設定できる。

 また、Face IDは「Galaxy Note8」などに搭載されている虹彩認証システムとは異なり、顔の前に端末を掲げなくてもロックが解除される。慣れてくれば上の写真のように、iPhone Xの画面に目を軽く落とすような感覚で認証できるようになる。

 そしてFace IDは、iPhoneのロック解除、Apple Payでの支払い、iTunes StoreとApp Storeの購入、SafariのIDやパスワードの自動入力、アプリケーションのサインインなどにも利用できる。

 カメラ機能も大幅進化した。iPhone Xではアウトカメラは広角、望遠カメラを組み合わせることで、インカメラはTrueDepthカメラシステムを利用することで奥行き情報を取得して「ポートレートライティングモード」を実現。従来の背景ぼけ効果だけでなく、顔に立体的に光を当てたり、背景を黒一色にするなど印象的な照明効果が可能となっている。

ポートレートライティングモードの撮影画面。各種効果はリアルタイムに反映される

ポートレートライティングモードの「ステージ照明」で撮影。本機能はベータ版なので髪の輪郭の検出はまだ苦手なようだ

 同じくTrueDepthカメラシステムにより可能になったエンターテイメント機能が「アニ文字」。TrueDepthカメラシステムが50以上の異なる表情筋の動きを認識し、ユーザーの表情をパンダ、ユニコーン、ロボなどの12種類のアニメーション絵文字として反映できる。ユーモラスなキャラクターが自分の声でしゃべるアニメーション動画を作成し、標準のメッセージアプリで送信可能だ。

アニ文字はiPhone標準のメッセージアプリから送信できる

かわいいキャラクターの顔が自分の表情とまったく同じように変化するのを見るのは非常に新鮮な体験だ

 ホームボタンを排したことで新たに導入されたのがジェスチャー主体のユーザーインターフェース。ホーム画面、マルチタスキング画面、コントロールセンターの表示など多くの操作がスワイプだけで操作可能だ。

 ホームボタンがないことに最初は戸惑いを感じるが、半日ぐらいiPhone Xを使えばすぐに慣れてくる。その時にはホームボタンを押すのが逆に面倒になっているはずだ

 そして、ついに搭載されたのがQi規格のワイヤレス充電機能。わざわざLightningケーブルを差し込まなくても充電できるのは超便利。2018年には最新のiPhone、Apple Watch、AirPodsなどの対応デバイスを3つまで同時充電できる「AirPower」がアップルから発売される予定だ。

 iPhone 8、8 Plus、Xは、Qi規格のワイヤレス充電台に置くだけでバッテリーをチャージできる。Lightningケーブルの抜き差しが不要になるので、端子周辺に傷をつけることがなくなるのもメリットだ

 iPhone 8と8 PlusがiPhone10年間の到達点だとすれば、iPhone Xはアップルが謳うとおり未来への出発点。未来のスマホを先取りしたいのならiPhone Xを買うしかないだろう。

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