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千趣会が新中期計画、「専門店集積型」「企画小売」へ戦略移行

2017年10月30日 08時45分更新

記事提供:通販通信

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(株)千趣会が27日発表した「千趣会グループ中期経営計画2018~2020」で、16年に策定した18年の目標を取り下げ、20年までの新計画を策定したことが明らかになった。グループ全体の戦略として「総合型」から「専門店集積型」へ、「製造小売」から「企画小売」へ、それぞれ事業を移行するほか、フルフィルメントに関わる戦略では、庫内業務のアウトソーシング化、物流拠点の再編成などを行うとした。

ECシフト・スマホ化の乗り遅れで売上伸びず

 同計画では、14年と16年時点に掲げた18年の目標を振り返り、目標の取り下げることになった経緯を説明。SPA型開発戦略を打ち出したものの、手広く対象を広げたことで余剰在庫が大量に発生したこと、ECシフト・スマホ化などの時代の流れに乗り遅れたことなどを、売上が伸び悩んだ要因として挙げた。

 そして新たに、売上高1290億円、営業利益35億円、純利益30億円を20年の目標に設定。通販事業では、売上高1000億、営業利益14億5000万円を目標とした。さらに営業黒字化に向けた取り組みとして、ベルメゾン事業では、不採算ジャンルからの撤退や型数削減・調達戦略見直しによる在庫適正化など売上総利益率の改善、ベルメゾンネットのUI/UX改良による買上率向上、カタログ配布戦略の抜本的見直しによる媒体費削減・効率化などを実施する。

 グループ全体の戦略としては、「総合型」から「専門店集積型」へ、「製造小売」から「企画小売」へ、それぞれ事業を移行。専門店集積型事業では、さまざまな分野で専門性の高いカタログを発刊していた頃に立ち返り、専門店単位でビジネスモデルを構築。急な冠婚葬祭への対応や女性管理職の要望に応える「フォーマルウエア専門店」や、一般的なスーパーで扱われていない加工食品などを扱う「グルメ専門店」などを想定し、専門性の高い商品を提供する。また、損益管理は専門店単位で行う方針とした。

女性のための事業間シナジーを創出へ

 さらに、これまでに培ったブライダル事業や子育て支援事業など女性支援に関わるノウハウを活かし、女性のための事業間シナジーを創出。ブライダル分野と物販を掛け合わせた「新生活インテリア販売」、ブライダル分野と料理教室による「新生活のための料理スキルアップ講座」などを想定し、物販だけではなく、さまざまな事業を通じて女性と向き合う体制を整える。

 フルフィルメントに関わる戦略については、物流では庫内業務のアウトソーシング化、物流拠点の再編成を実施。システムではアジャイル開発などフレキシブルな開発手法の導入、複数チャネル対応システムの開発、AI活用領域の検討・導入を行う。コールセンター機能では顧客視点での情報提供の充実、VOC活用フローの確立、事業・経営にVOCを反映する仕組みの構築に取り組む。

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