ダイドードリンコは「DyDo日本の祭り」という取り組みで、年間約35の祭りを取り上げテレビ番組の制作を企画し、地方局、全国局で放送する取り組みを15年間続けています。社会貢献活動の一環とのこと。
私は、二本松の提灯祭りに行って、地域の祭りの大切さを実感しましたが、テレビ放送することが、祭りを応援することにどう影響しているのでしょうか?
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■テレビ番組は、地域の祭りを活気づける・記録に残すという2つの側面
――先日、二本松の提灯祭りを見て、あらためて日本の祭りは生きる活力になると染み入りました。「DyDo日本の祭り」では日本津々浦々の祭りを取り上げ、テレビ放送の企画をしていらっしゃいますが、番組として配信されることで、祭りが活気づく、ということでしょうか?
森田さん:テレビ放送には2つの側面があります。番組は各地域のテレビ局に制作していただいて、まずは地方局で放送する。次に、BS12と東京MXで全国で放送することによって、地域の方々や祭人の想いを全国の方々に発信したり、文化を知ってもらう、という意図があります。多くの方に見てもらうことで翌年以降の集客に結び付くというのもありますし、地元出身の方々が放送きっかけで地域との絆というものを感じ、お祭りに戻っていらっしゃる、ということもあります。
もうひとつは、記録資料としての一面があると思います。番組は一時間のドキュメンタリーとして制作して、祭りの当日だけではなく、半年、一年くらい前から祭人の様子を収録しています。こういった生活をしている地域だから、このような祭りがあるという、地域の空気感も含めて映像資料になるでしょう。番組では、神事の部分も収録していますが、地元の方々でも祭りの神事の部分をあまり知らないということも多いので、継承という意味でも役立てていただければと思っています。
――なるほど、映像資料としての価値ですか。神事の側面をあまり知らないと言われましたが、私もお祭りというと縁日だったり、神輿をかつぐ、というところをメインに捉えていました。
森田さん:そういった方は多いと思います。みなさん縁日やお神輿はご覧になりますが、神事の部分はあまり関心が寄せられていません。ですが、本来はお祭りの主体は神事の部分です。お神輿には神様がお乗りになって、最後には必ず帰られる。みなさんが、賑わっているのはお祭りの余興の部分なのですよね。地元の方々が番組でお祭りの全貌を始めて知って驚かれた、という話は聞きます。あとなるほどと思ったのは、祭りの当事者の方々で、例えば、神主さんは神社で行事を行なっているので、その時に他の場所でどういうことをやっているのか見たことがなかった、という話も聞きました。
――テレビ放送がなかったらずっと全貌を見られずにいたのかもしれませんね。テレビの番組づくりはおっしゃったようにいろいろな側面で意義がありそうですね。ところで、なぜダイドードリンコは「日本の祭り」の活動を始められたのですか?
森田さん:私たちは自販機を中心に事業を行なっているので、自販機を設置していただいたり、利用して下さっている地元の方々に、なにか恩返しがしたいという想いからこの活動を始めました。