遠藤諭のプログラミング+日記 第28回
そろそろ上海蟹や煲仔飯(土鍋飯)のおいしい季節ですが
いまいちばんお勧めのドローン「DJI Spark」を持って香港へ!
2017年10月13日 19時00分更新
10月1日(日)テレビ東京「ABChanZOO(えびチャンズー)」で、ドローン(UAV=無人模型航空機)に関してレクチャーさせてもらった。登場シーンでいきなりズッコケたのは置いておくとして、見た人からはドローンの最新事情が分かってよかったという反響ももらった(ドローンは“ただ凄い”と紹介する番組が多いのに対して割りと踏み込んだ説明ができましたからね=ちなみにスタジオの小物が機械式計算機などとてもマニアック)。
その1週間後、1年半ぶりで香港にでかけてきた。今回の目的は、日本では売っていない“あるもの”の購入と香港でドローンを飛ばすことである。
思い返せば、2013年頃から、YouTubeにDJI Phantomシリーズを中心にドローン映像が上がりはじめた。DJIは、香港からほど近い中国本土の深センに本社があるからだろう、香港を空撮したものが目立つ。それを見て、俄然空撮がしたくなりDJI Phantom 2 Vision+の発売を待って買った私としては、第二の故郷といっていい(渡港40回くらい)香港でドローンを飛ばすことが1つの夢だったのだ。
具体的に、ドローンツアー決行となったきっかけは離陸重量300gの「DJI Spark」を買ったのと、池澤あやかさんの「ハワイでドローン飛ばしてみた」という記事である(現地のルールや申請関連にも触れたとてもいい記事)。先日も「中国でドローン飛ばしてみた」が公開された。その池澤さんとツイッターでやりとりしていたら、香港のドローンの規制やルールについて「こんな感じでは?」と教えてくれた。
香港のドローン規制については、香港特別行政区の民航處(CAD=Civil Aviation Department)の関連ページに説明があるのだが、DJIの「安全飛行 フライトマップ」で具体的な制限区域も分かる(警告が出たり離陸できない場所など)。
現地についてからは銅鑼湾にある「DJI 香港旗艦店」に立ち寄って、店員さんにアドバイスをもらうこともできた。今回のような場合は申請不要とのこと。もらった民航處のパンフレットでは、7kg以下の機体、高度は300フィート(91.44メートル)を超えない、昼間の飛行に限るとしたうえで、避けるべき場所や行為、飛行場など具体的な制限区域があげられている(実際に飛行を計画する場合はあらためて民航處のホームページを確認のこと。先の池澤さんの記事によると中国は6月1日以降登録が必要になったとのこと)。
東京23区の場合、申請なしには200g以上のドローンを上げることができないのに対して、香港の制限区域はかなり限られている。しかし、香港の市街地は超人口過密状態だ。ふつうに街を歩き回って安全を確保できそうな場所を見つけるのは、正直なところ至難のワザといえる。私の場合は、香港の知人家族がハイキングをかねて車で香港島を西側からまわりこんでくれたりしたのでたすかった(というか楽しかった)。そうでない場合は、Google Street Viewなど可能な限りの情報をもとに少しでも下調べをしておくしかない。
ということで、飛行高度の関係もあって2013年頃にYouTubeで見た絶景といえるほどの映像ではないのだが、いくつか空撮映像の拙作を紹介させてもらいます。
香港に出かけはじめた89年には、鯉魚門には、まだハードディスクメーカーのMaxtorの工場なんかがあった。1980年代は、缶詰工場などが次々コンピューター関連に切り替わったなどといわれたが、急速に台湾へ、そして中国へとコンピューターの製造が移っていったのはご存じのとおり。それでも、香港の電脳街は楽しくて『月刊アスキー』で何度やったか分からない。やっぱり、アジアと電脳とエスニックフードは三位一体なのだと思う。
冒頭に掲げたビルの写真は、映画『トランスフォーマー4』に登場した怪物ビル(海景樓、福昌樓、海山樓、益昌大厦、益發大厦の5つのビルの合体)。近くから撮影することはできなかったので、このビルに関しては以下のTHETA画像をご覧あれ(2016年1月の撮影)。
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
ところで、この夏は、クオリティソフト株式会社の浦社長に誘われて同社の南紀白浜オフィスに出かける予定だったのだが、私のスケジュールの都合で中止になってしまい迷惑をかけてしまった。同社は、プライベートビーチも持っているうえに、ドローンスクール事業でも定評がある。ということで、なんとなく2カ月遅れでドローンを飛ばすことができた。やっぱりドローン空撮は楽しい。どう楽しいのかというと、一眼レフが、世界を違ったレンズで切り取ることで世の中の見方を変える道具だとすると、ドローンは視点を変えて世界の見方を変える道具で、ちょっと似たところがある。
※ ちなみに、もう1つの目的の日本で売っていない“あるもの”とは殻付きマカダミアナッツ(殼夏威夷果)。ノコで刻みが入れてあって殻を割りやすく、かつ塩がそこからまぶされた秀逸な品。けっして怪しいブツではありません。どこか日本でちゃんと輸入してくれる会社はないものか? 香港でも北角の金鳳涼菓と上環の正隆行の2店しか確認されていないのだが。
遠藤諭(えんどうさとし)
株式会社角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員。月刊アスキー編集長などを経て、2013年より現職。角川アスキー総研では、スマートフォンとネットの時代の人々のライフスタイルに関して、調査・コンサルティングを行っている。著書に『ソーシャルネイティブの時代』、『ジャネラルパーパス・テクノロジー』(野口悠紀雄氏との共著、アスキー新書)、『NHK ITホワイトボックス 世界一やさしいネット力養成講座』(講談社)など。
Twitter:@hortense667Mastodon:https://mstdn.jp/@hortense667
■関連サイト
DJI(https://www.dji.com/jp)クオリティソフト株式会社(http://www.qualitysoft.com/)
ドローンビジネスカレッジ(https://drone-bc.jp/)
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