文法がわからないとビジネスではマイナス
Q.文法って必要なんでしょうか? 中学・高校とさんざん英文法を勉強しても、英語ができるようになりません……。
A.「通じればいいので、文法なんて勉強しなくてもいい」などと言う人がたまにいます。もちろん、海外旅行に行く程度であれば、単語だけで片言の英語で押し通しても問題はないかもしれません。
しかし、文法がめちゃくちゃな英語はわかりにくいものですし、聞き手にとっては迷惑なものであることを忘れてはいけません。ビジネスではたいへんなマイナスになるでしょう。
「赤ちゃんは文法を勉強して言葉を覚えるわけではないのだから、文法は必要ない」と言う人もいます。これは大きな間違いです。そもそも、母語習得と第二言語習得ではメカニズムが異なる、というのが現在の定説です。
たとえば、日本で生まれ日本語を習得する場合には、自分の周りにたくさんの日本語話者がいる環境、つまり大量の自然なインプットが得られる環境があるということになります。一方で、同じように日本で英語を覚えようとすれば、周りに英語を話す人は少数なわけですから、インプット量が圧倒的に足りないことになります。このインプット量の不足を補うために、文法は習得の近道となるのです。
日本では中学校から英文法を勉強し始めますが、これは理にかなっています。10歳を超えるあたりから人間の認知能力は大きく高まるため、文法などの法則性を理解することも容易になるのです。
日本の英語教育では文法はていねいに教えてくれますから、英語を自在に操りたいという人はその文法知識をベースにそれを瞬間的に口に出すトレーニングを行なうことによって、反射的に理解できるくらいに「自動化」するとよいでしょう。
答えてくれたトレーナー:青木 亜衣
幼少期より英語を学び、アメリカフロリダ州に4年間の正規留学。南フロリダ大学在学中はマーケティングを専攻し、ビジネスの専門知識とともに実用的な英語力を身に付けた。進学塾での英語講師や、オンライン英会話の講師としての指導経験もある。現在StudyHacker ENGLISH COMPANYでパーソナルトレーナーを務める。

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