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最新端末を丸裸! スマートフォン定点観測 第191回

主要キャリアの2~3万円台で買えるミドルクラススマホのカメラを比べる

2017年10月09日 12時00分更新

文● 小林 誠 編集● ASCII編集部

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デジイチも交えて実写比較
意外と違いが多く引き分けに

 ここからは実際に撮影し画像を比較。同じ被写体をアウトカメラで撮影、デジイチ(キヤノン「EOS 70D」)も加えて比較する。カメラの設定はオート任せだ。

Galaxy Feel

arrows Be

Qua phone QX

EOS 70D

 Galaxy Feelとarrows Beの一騎打ちだが引き分けだろう。Qua phone QXは室内で撮影していたせいか、自動的に明るく撮ろうとしたようだ。テスト時は複数枚撮影したものの、いずれもこのような画像なので早々に脱落した。

 一方でGalaxy Feelは画像全体の色が強い。カーテンは茶色が、カラータイルも青や赤が濃い。床やアヒルの人形も鮮やかでキレイとは感じる。arrows BeはGalaxy FeelやQua phone QXの間といった印象で、ウサギの人形や床は強い色。カーテンの色は茶色抑えめで、若干緑っぽい色が入ってしまった。カラータイルはデジイチに近いが、見比べてみると違いも多い。

インカメラ比較ではバランスのとれたarrows Be

 続いて同じ被写体にシーラカンスの人形を加えてインカメラで撮り比べ。こちらはデジイチ抜き、主観でキレイな1枚を決める。

Galaxy Feel

arrows Be

Qua phone QX

 どうしても左側に筆者の影が入ってしまい、ブレやすい。その点を除いて考える。Qua phone QXはカーテンの緑色が強過ぎる。明るめに撮れるというよりも冷たい印象の画像になる。

 Galaxy Feelとarrows Beでは、やはりGalaxy Feelのほうが強い色を出している。しかしシーラカンスはギラギラ、造花はあまりにも白く、緑の葉は薄くとどうもちぐはぐ。arrows Beのほうがキレイに感じるのでは。全体的に明るく撮れつつ、とくに造花の鮮やかな葉の色が印象的。ここはarrows Beの勝ちだ。

暗所撮影ではarrows Beがさらにリード

 さらに暗所比較。被写体の明るさをオフィスの明るさとしては暗めな150ルクス程度に抑え、フラッシュやライトを使わずにオートで撮影、その画像を比べる。ここでは再びEOS 70Dを加えた。

Galaxy Feel

arrows Be

Qua phone QX

EOS 70D

 ここもarrows Beもリードと判断。床はやや白っぽく、背景のカーテンはデジイチよりもグレーでむしろデジイチよりキレイに感じるかもしれない。

 Galaxy Feelもこれだけを見ればキレイに感じそうな1枚。ただ全体的に明るく、とくに床の白さは強い。Qua phone QXはかなり緑色が強く、カーテン、アヒルの人形、床も若干緑っぽい。アウトカメラのオート任せでは他の2機種と比べて差をつけられている。

インカメラで暗所を撮影
明るく自然な1枚のGalaxy Feel

 もうひとつインカメラで暗所撮影。再びシーラカンスの人形を加え筆者の主観で勝ちを決める。

Galaxy Feel

arrows Be

Qua phone QX

 これはわかりやすい。Galaxy Feelの勝ちとした。実際よりもかなり明るいのだが、変な色の部分がない。他の2機種も被写体の見た目より明るく撮れているものの、緑がかっており、arrows Beはカーテンの人形周辺、Qua phone QXは全体がそうなってしまっている。

Galaxy Feelは撮りやすさ重視
洗練された機能・UI

 最後に各機種のカメラに用意された機能を見ていく。Galaxy Feelは画面を左右スライドでき、左にプロモードがあり、明るさ、ISO感度などのマニュアル設定はこちらで、右にエフェクトが用意されている。

 設定にはホームボタンの2回押しでカメラが起動するクイック起動、音声入力による撮影を用意。フローティングカメラボタンを使うことで、撮影画面では自由にシャッターアイコンを移動できる。

 インカメラではワイド自分撮りモードがあり、撮影時に左右にカメラを動かすことで、より多くの人、背景を入れて撮ることが可能だ。

人気のGalaxyシリーズの1台だけにプロモードやエフェクトなどの機能が充実

ホームキー2回でカメラを立ち上げる機能も。また端末を左右に動かして、インカメラで広角のセルフィーが取れる

ごく簡単な設定だけ!
arrows Beはやっぱりシンプルだ

 いろいろなスマホの中でも、カメラ周りがすごくシンプルなことで知られるarrowsシリーズだが、arrows Beの設定も非常にわかりやすい。

 オートモード以外では、連写やパノラマ撮影が可能。HDR、セルフタイマー、撮影サイズの設定が変更できるほか、簡単なマニュアル設定として、露出補正、ホワイトバランス設定を用意している。もちろん他のスマホでも当たり前の機能だが、arrows Beの場合、手動で設定できる項目をこれらに絞って搭載している。

 インカメラにカウントダウン機能があるのは、唯一の注目機能だろう。説明のガイドも表示される。3秒設定だがオフにしてもよい。本当に必要最低限で、オートでキレイに撮れればいい、もっと機能が欲しい人は、各自がアプリを追加すればよいという考え方のようだ。

これまでのarrowsシリーズと同様に極端にシンプルな撮影画面だが、露出の変更などは可能

機能よりもわかりやすいUIに注目のQua phone QX

 Qua phone QXは文字やアイコンが大きく、機能が少ないわけでは無いが、パッと見たときのわかりやすさ重視のUI。ただしUI以外で独自性のある機能は見られない。

 フォーカス設定をはじめとした細かなマニュアル設定を用意しており、他にもエフェクト、タイムラプス、水準器設定といった、オートだけでなく、カメラをもう少し使いこなしたいという人にも適した内容になっている。

メインのユーザー層を意識してか、文字などは大きくなっているが、設定自体はいろいろと用意されている


Galaxy Feelとarrows Beの一騎打ちは
……Galaxyの勝ちに!

 サクサク撮れるのは断然Galaxy Feel、キレイに撮れるという部分ではarrows Beも良さそうだ。Qua phone QXはこの3機種のなかでは一歩後退。オート任せはやや苦手か?

 では勝利機種は? となるとGalaxy Feelとしたい。オートでサクサクキレイに撮れるのが一番と考えればこの機種だ。arrows Beはもう少しスピーディーに撮影できればと思うが、連写モードやアプリの追加で工夫したい。

 これでここまでGalaxy FeelとQua phone QXが1勝ずつ。最後の比較は次回のスタミナチェック。どの端末に決め手が出てくるのか注目したい。


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