Galaxy Feel、arrows Be、Qua phone QX……本体価格を抑えめにしつつ、長く使えてスペックも高めなドコモとauのお手頃スマホ3機種を比較しているが、実際に使ってみるとどうだろうか? ベンチマーク、文字入力、通信速度、気になるスピードを測った。
まずはQua phone QXがスペック&料金でリード
比較しているのは、長く使うほどにオトクな「docomo with」対象モデルでもあるドコモの「Galaxy Feel SC-04J」と「arrows Be F-05J」。そしてauブランドでリリースされている「Qua phone QX」だ。本体価格は2~3万円台とキャリアが販売するスマホではお手頃の価格帯だ。
そのなかでも2年間のトータルコストとスペックではQua phone QXがリードと判断した。まずはそのスペックのおさらいから。
ドコモ 「Galaxy Feel SC-04J」 |
ドコモ 「arrows Be F-05J」 |
au 「Qua phone QX」 |
|
---|---|---|---|
メーカー | サムスン電子 | 富士通 | 京セラ |
本体サイズ | 約67×138×8.3mm | 約72×144×7.8mm | 約73×146×8.9mm |
重量 | 約149g | 約141g | 約139g |
画面サイズ | 4.7型 | 5型 | 5型 |
画面解像度 | 1280×720ドット | 1280×720ドット | 1280×720ドット |
OS | Android 7.0 | Android 7.1.1 | Android 7.1.1 |
CPU |
1.6GHz 8コア |
1.2GHz 4コア |
1.4GHz+1.1GHz 8コア |
ROM/RAM | 32GB/3GB | 16GB/2GB | 16GB/2GB |
メモリーカード | microSDXC(256GB) | microSDXC(256GB) | microSDXC(256GB) |
下り最大通信速度 | 262.5Mbps | 150Mbps | 150Mbps |
4G対応周波数 | 2GHz(1)、1.7GHz(3)、800MHz(19)、1.5GHz(21)、700MHz(28) | 2GHz(1)、1.7GHz(3)、800MHz(19) | 2GHz(1)、800MHz(18/26)、WiMAX 2+(41) |
キャリアアグリゲーション | ○ | × | × |
VoLTE | ○ | ○ | ○ |
連続通話時間 | 1180分(LTE) | 530分(LTE) | 1300分(LTE) |
無線LAN |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
IEEE802.11n (2.4/5GHz対応) |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
カメラ画素数 | 1600万画素 | 1310万画素 | 1300万画素 |
インカメラ | 500万画素 | 500万画素 | 500万画素 |
防水/防塵 |
IPX5/IPX8/ IP6X |
IPX5/IPX8/ IP6X |
IPX5/IPX8/ IP5X |
ワンセグ連続視聴 | 960分 | 590分 | × |
フルセグ連続視聴 | × | × | × |
FeliCa | ○ | ○ | ○ |
赤外線通信 | × | × | ○ |
NFC | ○ | × | × |
Bluetooth | 4.2 | 4.1 | 4.2 |
MHL(HDMI) | × | × | × |
Miracast | × | ○ | ○ |
SIM形状 | nanoSIM | nanoSIM | nanoSIM |
バッテリー容量 | 3000mAh | 2580mAh | 2600mAh |
Qi | × | × | × |
生体認証 | 指紋 | × | × |
カラバリ | Moon White、Indigo Black、Opal Pink | Red、Black、White | ホワイト、ピンク、ブラック |
スペックだけを見ればGalaxy FeelとQua phone QXが争い、arrows Beが若干見劣りするかな? という印象だが、MIL規格への対応をはじめ耐久性とそれにともなう“長持ち”という意味では、arrows Beにも数字だけでは判断しがたい魅力がある。
さて、ここからは公式スペックだけではわからないところをチェックしていく。まずはベンチマークの結果から。
ベンチマークではGalaxy FeelとQua phone QXの一騎打ち
使用したベンチマークアプリはいつものように「AnTuTu」と「3Dmark」。それぞれ3回計測し、トータルスコアをはじめ各スコアの最高値を掲載している。
(最高値) | Galaxy Feel | arrows Be | Qua phone QX |
---|---|---|---|
AnTuTu | 44362 | 27331 | 44315 |
3D | 5888 | 1714 | 8312 |
UX | 15406 | 12714 | 16320 |
CPU | 17012 | 10460 | 14897 |
RAM | 6262 | 2620 | 4789 |
AnTuTuではトータルスコアでGalaxy Feelの勝ち。CPU、RAMの数値もトップ。サムスン製の8コアCPU「Exynos7870」は、コア数/動作クロックともに他を上回っており、順当な結果。とはいえ、Qua phone QXもわずかな差で、3D、UXとグラフィック関連のスコアでは逆に上になっている。この2機種と比べると4コアのarrows Beは差がついた。
(最高値) | Galaxy Feel | arrows Be | Qua phone QX |
---|---|---|---|
トータルスコア | 296 | 53 | 327 |
グラフィックス | 240 | 42 | 272 |
フィジックス | 1698 | 727 | 1121 |
3DmarkではトータルスコアでQua phone QXが逆転。やはりグラフィックスのスコアが高い。ただしGalaxy FeelもCPU関連の能力を測るフィジックスのスコアではQua phone QXに勝っている。
どちらのベンチマークアプリでも、CPUなどの処理能力ではGalaxy Feel、グラフィック関連ではQua phone QXが有利という結果で、arrows Beは差のある3番手となっている。
500通スクロールはarrows Beがダントツでリード
実際に操作してみるとどうだろうか。まずはスクロール速度のチェック。Gmailを500通あらかじめ受信しておき、上から下へ片手でスクロール、500通目に達した時間を競う。同じアカウントで3回計測(ストップウォッチ使用)し、その最速と平均タイムを調べた。
(最高値) | Galaxy Feel | arrows Be | Qua phone QX |
---|---|---|---|
最速タイム | 14秒93 | 5秒29 | 11秒88 |
平均タイム | 18秒74 | 6秒22 | 15秒10 |
結果、arrows Beが圧倒的に速い。というのも明らかに途中で表示を省略していたから。最初はスピーディーにサーッとスクロールが始まるが、途中からスクロールの速度がゆったりになりスクロールの動きに波がある。大きく指を動かしたほうが速いようだ。
次に速かったのがQua phone QX。こちらは終始流れるようにスピーディーなスクロール。ただし省略表示がさほど感じられないのと、途中で指が抜けるような、タッチに反応しないときがある。そのせいでスクロールがゆっくりになり時間をロス。Galaxy Feelは省略表示をしないようだ。そのため500通もさかのぼると動かす指が疲れてくる。スクロール自体は速く、使用していて気持ち良い。
意外とサイズが大きいarrows BeとQua phone QX
本体が滑りやすいGalaxy Feel
続いて文字入力のテスト。Gmailの新規作成画面を使用し、いつもと同じ例文を片手操作でフリック入力。予測変換は使わず、全文入力&通常変換のみとする。時間はストップウォッチで計測。これも各機種3回ずつ測り、最速と平均タイムを掲載している。入力方法の変更、アカウントの設定以外は初期設定のままだ。
●入力文章
「お世話になっております。ライターの小林です。明日の13時にASCII.jpの件、よろしくお願いいたします。」
arrows SV | AQUOS U | DIGNO F | |
---|---|---|---|
入力プログラム | iWnn IME for Galaxy 2.3.3 | Super ATOK ULTIAS 1.4.1 | iWnn IME 2.10.0 |
最速タイム | 50秒97 | 43秒76 | 45秒80 |
平均タイム | 51秒78 | 54秒09 | 54秒03 |
最速タイムではarrows Be、しかし平均タイムではGalaxy Feelがトップという結果。
arrows Beは5型というサイズもあり、片手操作では本体がやや大きい。ただ両手入力が良いのか? というとそこまでは……と感じるサイズ感。片手操作では端に指の届かないキーがあり、そのせいで持ち直すと画面が横画面に切り替わってしまうことも(設定で固定できるが)。しかしキーレスポンス自体は良く、スムーズにいけば一気にタイムが縮む。片手ではバラツキが生じるようだ。
実はQua phone QXはarrows Beよりも厚みを強く感じて、さらにやや片手での操作がしにくい印象。見るのと持つのとではだいぶ印象が違う。片手操作では指に載せる不安定な持ち方になり、誤入力が多くなる。スムーズにいけばarrows Be同様タイムは縮むのだが、両手で入力したほうがやりやすいかも。
一方のGalaxy Feelは50秒前後でタイムが安定。やはり一回りコンパクトなこともあって片手操作しやすく、キーボード全体に指が届く。しかし筐体が滑りやすく、操作中に不安定になりやすい。すると当然に入力速度が落ちたり、誤入力が生じる。カバーをつけて滑りにくくしたほうが操作はしやすそうだ。
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