見た目はほぼ一緒だがスペックは微妙に違う
大きさ以外、見た目はほとんど一緒の2機種だが、スペックは微妙に違う。まず小さい方のACTON BLUETOOTHは、ツィーター×2、10.16cm ウーファー×1というスピーカー構成。それぞれに対応するパワーアンプの出力は、8W×2+25W。
大きい方のSTANMORE BLUETOOTHは、ツイーター×2、13.5cmウーファー×1で、パワーアンプは20W×2+40W。
ACTON BLUETOOTHとの違いは、オーディオコーデックとしてaptXに対応すること。そして外部入力にRCAピンもあり、3.5mmステレオミニと合わせて、入力系統が3つあること。
音までマーシャルっぽい
エンクロージャーのサイズとスピーカーユニット、そしてアンプのパワーが違うので音も違って当然だが、マーシャルのスピーカーキャビネットと同様、高域のキラキラしたドンシャリ型でまとまっているのがおもしろい。
低域に関しては、アンプのパワーとスピーカーの口径で稼ぐタイプで、パッシブラジエーター付きのBluetoothスピーカーのように、音量を上げてゆくにつれ低域が崩壊するようなことはない。音量に関わらずソリッド感があるので、パワーの余裕もあるはず。
低域の深さは、大きなSTANMOREの方がやっぱり上だが、ある程度音量を上げても低域が破綻しない点では、ACTONにも魅力がある。一般的な家庭で使う限り、音量としてはACTONで十分以上、低域に余裕が欲しければSTANMOREということになるだろう。
もし注文があるとしたら、2機種ともアンプ・スピーカー一体型の、いわゆるコンボアンプデザインである点。マーシャルのイメージと言えば、やっぱり縦に積み重ねたスタッキングスタイルだと思うのだ。
若干高くなっても、マーシャルのBluetoothスピーカーを買うなら、レシーバーアンプ部とスピーカーキャビネットが別体式のスタッキング型がいいなあ、と思ってしまうのは私だけだろうか。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ