データドライブとしての実力は?実利用を想定したテストで比較
システムドライブとしてSSDを使えば速くなるのは当然だが、せっかくの大容量なら、データドライブとして使いたくなる。HDDと比べてどのくらいメリットがあるのか、デジカメで撮影した写真を扱うシチュエーションを想定し、体感速度に変化があるのかを調べてみた。
撮影した写真をPCに取り込むなら、SSDとHDDのどちらが有利?
デジカメで撮影した写真(RAW、300枚)をデータドライブへコピーするというシチュエーションを想定。まずはこのコピーにどのくらいの時間がかかるのかを比較してみよう。メディアはサンディスクのCFカード『サンディスク エクストリーム コンパクトフラッシュカード』(SDCFXSB-064G-J61、64GB)を使用した。まずはメディアの速度をCrystalDiskMarkで見てみる。
メディアはコンパクトフラッシュとしては速い方だが、HDDよりは少し遅い。RAW写真1枚あたりの容量は40~50MBくらいで、300枚ぶんとなるので、およそ13GBのデータだ。これをデータドライブと想定した、『ウルトラ 3D SSD』とHDDにコピーした結果が下のとおりだ。
メディアの速度がHDDよりも遅いということもあり、大きな差こそつかなかったが、わずかながらSSDのほうが速いという結果になった。さらに高速な『エクストリーム プロ CFAST 2.0』や、UHS-II対応のSDカードなどを使った場合は、データドライブがSSDのほうが有利になっていくだろう。
データドライブ上のRAW現像では速度に変化はあるのか
仕事で撮影した写真をクライアントなどに渡す場合、RAWのままということは少なく、多くの場合現像を行うことになる。このRAW現像を、データドライブに保存したまま行うと速度に差があるのかを試してみた。使用したのは先程コピーした300枚のRAWファイルのうちの100枚。厳選した写真を現像して渡す、というシチュエーションを想定している。
まずはAdobeの『Photoshop Lightroom』を使った場合の結果だ。画像形式はJPEGでリサイズなし、画質90の設定で現像した。
結果はSSDの方がわずか速いというものになったが、これはあくまで3回測った平均。実際はSSDが速かったりHDDが速かったりと、その時々によって結果はバラバラだった。jpgへの現像速度は、データドライブの種類にはあまり影響がないようだ。
もうひとつ別の条件でも試してみようと、今度はjpgではなく、TIFF形式への現像で試してみた。こちらもリサイズなしでの出力だ。
こちらは一転、SSDのほうが圧倒的に速いという結果に。TIFF出力はCPUへの負荷が低めだが、ファイルサイズが非常に大きくなる。こういった処理であればストレージの速度がものをいうため、SSDが圧倒的に有利となるのだろう。TIFFは高解像度で劣化のない画質が特徴なので、こういった画像を必要とするプロ用途であれば、データドライブにもSSDを使うのが良さそうだ。
高速な外付けSSDを有効活用できるのはどっちだ!?
クライアントからその場でRAWファイルが欲しいと言われることもあるだろう。こういった場合、たいていは外付けのドライブにファイルをコピーして渡すことになるが、ファイル数が多いのであれば高速なメディアを使いたくなる。そこで、USB 3.1対応の外付けSSD『エクストリーム500 ポータブルSSD』を用意して、このドライブにファイルを書き出した場合の速度を比べてみた。
高速なUSB外付けSSDへの書き出しとなるだけに、コピーにかかる時間は圧倒的にSSDが有利。データドライブだから遅くてもいいと割り切るのもいいが、外付けのドライブやメディアへからのコピー、もしくはその逆が速くなることを考えると、トータルでの快適性はSSDのほうが上といえそうだ。