動画コミュニティーサービス「niconico」は8月20日、福岡県久留米市にてイベントの「ニコニコ町会議 全国ツアー2017」を開催した。今年で6年目となる夏~秋の風物詩で、青森、福岡、広島、新潟、北海道、愛知、大阪の7ヵ所を巡ることになる。今年2ヵ所目で、併催となる地元のお祭り「くるめ サブカルまつり!!」と合わせてリアルで8000人、ネットの生放送で合計15万4000人の視聴者を集めたという現地の盛り上がりをギュギュっとレポートしていこう!
町会議なのにメチャ快適という豪華な環境
町会議は、毎年、春のゴールデンウィークに千葉県の幕張メッセにて開催される10万人規模のイベント「ニコニコ超会議」の出張版だ。地方在住で、特に小中高の学生ともなると、超会議のためだけに東京に出てくるというのは、金銭的にも親の許可的にもなかなか難しいはず。そんな地方の「ニコ厨」(niconicoのファン)に喜んでもらおうと、幕張の熱気を凝縮して持って行くというのがコンセプトになる。
開催地は、ユーザーから「うちの地元に来て!」という要望があって、初めてniconico側が交渉に入る。そして地元のお祭りとの併催というのが基本となっており、普段、niconicoを見ないような層も参加者として交わってカオスな雰囲気を醸し出すのが醍醐味だ。
久留米の会場は、西鉄久留米駅から徒歩10分ほどの距離にある「久留米シティプラザ」が会場となった。町会議は過去6年で50会場近くを回って来ているが、福島県三春町や広島県安芸太田町、大雨で室内での開催となった兵庫県新温泉町などを除き、基本的に屋外での開催となる。その町会議史上でも珍しい屋内メインで、4階建・約1500席という「ザ・グランドホール」にメインステージを、その周囲の展示室やエントランス前になる六角堂広場にブースを構えるという、贅沢なスペースの使い方だった。
これがとにかく快適なのだ。7、8月の町会議で、九州や四国といった南日本での開催は、例年、酷暑や豪雨といった天気にとにかく悩まされている。それが今回は冷房が効いている室内で、ステージもイスに座ってしっかりと楽しめるという、過去に類を見ない素晴らしい環境だ。このホールを貸し出してくれるというバックアップ体制だけ見ても、地元側の力の入れようが伝わってくる。
笑いが絶えない攻め過ぎな大喜利
そんなメインステージでは13時のオープニングから、19時過ぎのエンディングまで、絶えず演目が行われていた。今回、筆者的にアツいなと思ったのが、地元を絡めた出し物だった。「え、これって一般常識だと思ってたけど、ご当地ネタだったの!? クイズ」では、その名の通り地元に馴染み深いネタをクイズにし、一般来場者も交えた3チームで答えてその正解を競うというもの。
ただしそこはniconico。なんとユーザーにアンケートをとって、一番表を集めたものを正解にするという謎ルールを設けていた! 要するにたとえ間違っていても、視聴者が面白いと思った回答が勝ちというわけだ。これは波乱の予感しか感じない。
もうひとつ「おっほ~ゴッホみたいに言うな!!~ コラボ企画」もカオスな展開だった。福岡のテレビ局・TVQ九州放送にて、毎週日曜0時35分から放送している番組「おっほ~ゴッホみたいに言うな!!~」とのコラボで、お題に対してキラリと光るイラストで回答する大喜利だった。
まずこの人選が謎だ。ぽあろさん、マリオさんという絵師として活躍する2人はまだしも、歌ってみたのけったろさん、踊ってみたのさっちゃそさんを呼ぶというのはどういうことなの……!? そして、niconicoの4人、おっほの4人というチームわけでは実力差がありすぎるということで、ぽあろさん/けったろさん/おほさん/和田さん、マリオさん/さっちゃそさん/原田さん/田中さんという混合チームに別れることになった。
そうしていざ大喜利が始まってみると、セーフのようなアウトのようなギリギリのネタを繰り出す激しい展開で、会場でもネットのコメントでも笑いが絶えない状態だった。
(*次ページは有名ユーザーのフォトレポートをお届け!)