東芝ライフスタイルが3日、コードレスキャニスター掃除機「VC-NX」シリーズを発表した。毎分最大約12万回転の強力なDCモーター、最長約60分間運転可能な大容量リチウムイオン電池を搭載する。想定実売価格10万円前後から。標準モデル「VC-NX1」は9月発売予定、上位モデル「VC-NXS1」は11月発売予定。
コードレスキャニスター掃除機 VC-NX1
想定実売価格10万円前後
東芝ライフスタイル
https://www.toshiba-lifestyle.co.jp
・強い吸引力
・軽い操作性
・長い運転時間
この3点を実現すべく、モーターと電池を新開発した。
新しいモーターはハイスピードDCモーター「HD45」。既製品「HD25」の極数を2極から4極に変え、電池を大容量化してトルクを上げ、回転数を毎分最大約12万回転に高めた。宣伝文句は「ジェットエンジンを超える回転数」。同社によればコードレス掃除機用モーターとしては世界最強。ちなみにダイソンデジタルモーターV8は毎分最大約11万回転。リチウムイオン電池は電池パックを従来比2倍の10本搭載し、電圧は36V。電池は本体の形にあわせて「C」字状に設計している。
強力な吸引性能が必要なカーペットなどで使う「強」モードで運転したときは、吸込仕事率200W相当のコードありキャニスター式掃除機に近い吸引力を得られるという。
●従来品→新製品
モーター最大回転数 11万回→12万回
モーター最大出力 250W→450W
バッテリーセル本数 5本→10本
本体には操作性を軽くするための工夫をこらした。
デザインはころんとした円筒状の「ダブルフェイススタイル」。掃除中にUターンしやすく、上下が逆さまになってもそのまま使える。本体の持ち手(ハンドル)は前後に動くようになっていて、持ちあげたとき重心が安定して軽く感じる。手元荷重は約520gと軽い。ちなみに重心が上にきている同社製スティック掃除機の手元荷重は約1.25kg。
ヘッドは新開発の「ラクトルパワーヘッド」。自走式で運転するとスーッと前に進んでいく。風路設計を見直し、よけいな空気の抜け道をなくしたことでごみを集めやすくした。壁ぎわもしっかり吸えるようになったという。実際にカーペットについたペットの毛を模した疑似ごみを吸わせてもらったところ、壁ぎわのごみもしっかり吸えていた。
ヘッドの先にはLED照明「ワイドピカッとライト」を搭載、家具のすき間など暗いところを掃除しやすい。ごみを検知する「ゴミ残しまセンサー」も搭載、ごみがあったらハンドル手元のランプが赤くなって知らせる。
出力を考えるとコードレススティック掃除機の倍程度。実際試すと「軽いのにわりとしっかり吸えている!」という驚きがあった。ふつうのコードありキャニスター掃除機とも比べてみたい。
ごみはフィルターごしに本体側面のダストカップにたまる。ダストカップのふたに静電気でごみがくっついてしまい、ちょっと捨てづらい。フィルターのごみを落とす“つまみ”をつけるなどの工夫はみられた。上位モデルは充電台がごみをためる「ダストステーション」を兼ねていて、2週間分ほどのごみをためられる。そのぶん充電台は大きい。
最強モーター掃除機でねらっているのは中国市場への再参入、欧米市場への新規参入だ。電源のちがいを選ばない直流モーター、フローリング・カーペット・畳など使用環境を選ばない新型ヘッドなどを武器に、世界市場に売りこんでいきたいという。
コードレスキャニスター掃除機としてはシャープが2日に世界最軽量の「RACTIVE Air」を発表したばかり。最長運転時間は東芝約60分間、シャープ約30分間。総重量はシャープ約2.9kg、東芝約4.2kg。吸引力にどれくらいの差があるか対決させたい気持ちもある。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ、家事が趣味。0歳児の父をやっています。Facebookでおたより募集中。
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