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Core i9 vs Ryzen Threadripper、再び始まるx86 CPUの大戦争

2017年07月15日 18時00分更新

文● ちゅーやん

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 本日は、ASCII倶楽部で7月1日に公開した「Core i9 vs Ryzen Threadripper、再び始まるx86 CPUの大戦争」を紹介します。


 AMDによるRyzen 3/5/7の投入で急に活気を帯びたCPUマーケット。これまではショップに行ってもインテルのマザーボードとCPUが大半を占め、わずかにSocket AM3+のマザーが置いてある程度の状況だったのが、Ryzen 7の発売以降急速にSocket AM4のマザーボードも増えることになった。

 さらに16コアのハイエンド製品としてRyzen Threadripperが発表され、インテルも急にプランを変更。Core i9シリーズで最大18コアの製品を発表するとともに、第8世代Coreシリーズの進捗も発表するに至った。

 今年後半には、こうした製品が一斉に市場投入されることになり、まさしくインテルとAMDのガチンコ勝負が再び始まることになる。現状完全にスペックその他が判明しているわけではないが、わかる範囲で解説していこう。

第8世代Core iシリーズは第7世代より性能が30%増
インテルのCPU戦略

 今年1月に、14nm+という、若干動作周波数が伸び、かつ若干消費電力が下がった14nmプロセスの改良版を利用した、Kaby Lakeベースの第7世代Core iプロセッサーを発表した。

 こちらはまずCore i7/i5から投入され、すぐにCore i3/Pentium/Celeronまでラインナップが追加されている。またサーバー向けとなるXeonについてもXeon E3 v6という形でこちらもKaby Lakeを利用したラインナップが提供された。

 これに続きインテルはXeonのラインナップを完全に刷新する。Xeon Scalableと呼ばれる新しいラインナップは、従来のXeon E3/E5/E7と異なり、CPUのパッケージ内のコアの数でXeon Platinum/Xeon Gold/Xeon Silver/Xeon Bronzeという4つのラインナップが提供される予定だ。

今年5月に発表されたXeon Scalableファミリーの概要。こちらの製品自身もそろそろ発表されてもおかしくない時期である

 これまでのXeon E3/E5/E7がシステム内のCPUソケットの数でラインナップを分けていた。Xeon E3はCPU同士をつなぐインターフェース(QPI)を提供せず、Xeon E5は2P構成が可能なようにCPU同士をつなぐQPIを1本のみ提供。4P以上を構成するXeon E7のみ、3本のQPIが提供されていた。

これまでのXeonの分類
Xeon E7 ハイエンド/ハイパフォーマンス向け、及び高信頼性向けの4P~8Pサーバー
Xeon E5 普及帯向けの2Pサーバー
Xeon E3 ワークステーション及びエントリサーバー向けの1Pシステムのみ

 ところがXeon Scalableはこの1P/2P/4Pの壁を撤廃、ローエンドのXeon Bronzeを除き、いずれの製品も1P/2P/4Pを自由に構成できるようになった。では各ラインナップでなにが違うのかというと以下のようになっている。

Xeon Scalableの分類
Xeon Platinum HCC(High Core Count)と呼ばれるダイを利用し、ソケットあたり最大28コア製品を提供。完全なRAS(Reliability/Availability/Serviceability:信頼性/可用性/保守性)機能が提供される。
Xeon Gold MCC(Middle Core Count)と呼ばれるダイを利用し、ソケットあたり最大18コア製品を提供。一部のRAS機能が提供される。
Xeon Silver LCC(Low Core Count)と呼ばれるダイを利用し、ソケットあたり最大12コア製品を提供。部分的なRAS機能が提供される。
Xeon Bronze LCCを利用するが、1P構成のみで、メモリチャネルも削減される。最小限のRAS機能が提供される。

 ちなみにその他の特徴として、Xeon Bronzeを除くと以下のことが挙げられる。

  • DDR4をソケットあたり最大6ch利用可能
  • CPU同士は新しいUPIと呼ばれるインターフェースで接続される
  • PCI Expressは48レーン以上

 この新しいXeon ScalableのプラットフォームはPurelyというコード名で知られており、Xeon Bronze以外はすべてPurelyプラットフォームを利用する予定だ。

 問題は、従来のCore i7 Extreme Editionのラインナップである。もともとExtreme Editionという生い立ちが、サーバー向けのCPUやプラットフォームをそのままハイエンドデスクトップに持ってくる、というものだった。Xeon MP向けのGallatinコアをそのまま流用したあたりからこれが始まっている。

 これはその後も同じで、現行のCore i7-6800K~6950XはLGA 2011という、デスクトップ向けとは互換性のないXeonと共通のパッケージで提供されている。ところが、Purelyをそのままデスクトップに持ち込むのは無理と判断したようだ。Xeon ScalableのパッケージはLGA 3647、つまり3647コンタクトもある巨大なLGAだからだ。

 そこでXeon Bronzeと、Extreme Edition向けに提供されるのがBasin Fallsと呼ばれる新しいプラットフォームである。これがCOMPUTEXにおいて発表された、新しいCore-XとX299チップセットというわけだ。


 続きは「Core i9 vs Ryzen Threadripper、再び始まるx86 CPUの大戦争」でお楽しみください。

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