最近は月間容量は変わらないながらも、音声通話サービスや特定サービスの容量カウントがなくなるなどのサービスで、価格差や使いやすさで大きく差が出ている格安SIM。2017年夏の状況をまとめてみた。
音声通話の無料範囲をチェック
「OCN モバイル ONE」からはじまった、10分間何度でも無料という通話オプション。それまで5分だったものが10分になることで、税抜き月額850円前後のオプション料金もよりお得感が高まっている。
今やOCN モバイル ONEだけでなく「IIJmio」も追随、通常の音声通話が弱点だった「LINEモバイル」も6月から月額880円で10分間までの通話定額オプションを開始しており、今や音声通話オプションの定番となりつつある。
一方で、最初に通話定額オプションを開始した「楽天モバイル」は、2380円で時間に関係なくかけ放題というオプションを用意した。
ただし、この金額はけっこう高いので、どうしても1枚のSIMで通話定額をしたいという場合ならともかく、2枚のSIMを同時に使えるDSDS機を使うなどした場合は、前の記事で紹介したように、ドコモ契約の通話定額だけのプランを別途契約したほうがお得ということもある。
また、10分まで通話せず3分でもいいというのなら、IIJmioや「BIGLOBE」の600円や650円の通話定額も魅力。
ただし、IIJmioの場合は10分間の通話を2回しただけで10分間の通話定額のほうが得になってしまうので、安いオプション加入は慎重にしたい。
主な格安SIMで音声通話付きプランの一覧表を作ってみたが、この中で料金だけ見れば、「イオンモバイル」が安いということになるが、加入しやすさや初期費用の割引を考えれば、それぞれに一長一短ということが言える。
また、実際にはデータ通信の質という問題も出てくる。要はデータの転送速度のことだが、平日12時台後半の極端な混雑と速度低下や、夕方から深夜にかけての速度低下も慎重に選びたい。
そこで、タイプ別に選んだ格安SIMを次に示したい。
LINE利用の便利さで選ぶならLINEモバイル
データ通信の質もいい!
登場したばかりの格安SIMは、今までの経験から速度が速く、加入者が増えるに従って速度低下を落としていくというのが、これまでの格安SIMのおおまかな流れ。
ところが、LINEモバイルについては、最初からの速度低下が少なく、開業から時間が経った今でも12時台の後半もサクサクデータが流ている。
この状態が今後も続くとは限らないが、それでも開業時からこれまでほとんど速度低下がなかったことで、当面はLINEモバイルの通信品質は維持されると予想している。
音声通話付きの契約の場合の最低利用期間は13ヵ月で、開通翌月を1ヵ月目として12ヵ月目までは9800円の違約金がかかることを考えれば、少し慎重にならざるを得ない。
また、LINEの年齢認証を突破することができるのは、格安SIMではLINEモバイルだけなので、それが第一条件とすればLINEモバイルを選ぶしかなくなる。
通信容量の交換をしたいなら「mineo」
音声通話よりもデータ通信の量が命、という人もいるはずだ。いわゆる「ギガが減る」に対応する方法として、ユーザー間でのデータ量のやり取がある。その自由度が高いのが「mineo」だ。
mineoであれば、ユーザー同士で自由に容量がやり取りできる「データギフト」や、mineoユーザー全体で容量をシェアする「フリータンク」といった機能が使える。
同一ユーザーID間のデータ量のやり取りはできないが、別IDなら容量の送り、送られが自由自在。友人なども含めて、うまくデータをシェアしていけば、使用量多めの月でも、追加容量を購入せずに使うこともできる。
また、フリータンクはユーザー全体で不要なデータ量をタンクにいれ、必要な人が引き出していく仕組み。引き出しはさまざまな条件があるが、最大で月間1GBまでもらうことができる。
なお、音声通話付きの契約でも、MNP転出でなく純粋な解約ならばすぐ解約しても違約金がまったくかからないのもmineoの特徴。
また、auネットワークのAプラン、ドコモネットワークのDプランを用意している。VoLTE採用前のau端末や最近のau端末をSIMフリー化した場合も安定して使えるauネットワーク対応はうれしいところだ。
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