ブラウザーからサーバーに軸足を移す
話をNetscapeに戻すと、ブラウザーを有償で売る商売は次第に厳しくなってきた。これもあってNetscapeもまたNetscape Composerを無償化する方向を決める(ただし実現したのはAOLの時代)。
そうなるとNetscapeはなにで食べていけばいいのか? という話に当然なるわけだが、その答えはサーバーである。ブラウザーはあくまでクライアント側のソフトであるが、サーバー側はまだブラウザーほど標準化が進んでいなかった。
その一方で自社のウェブサーバーを建てたい、という企業ユーザーはどんどん増えてきており、こうした企業ユーザー向けの製品を提供する方針を固める。主要なところで以下の製品を次々にリリースしていく。
| Netscapeの企業向けサーバー製品 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| FastTrack and Enterprise web servers |
ウェブサーバー | |||||
| Collabra Server | NNTPニュースサーバー (Collabra Software, Inc.を買収して提供) |
|||||
| Directory Server | LDAPサーバー | |||||
| Messaging Server | メールサーバー。IMAPとPOPをサポート | |||||
| Certificate Server | SSL暗号化に対応した暗号化サーバー | |||||
| Calendar Server | グループウェア機能を提供するサーバー | |||||
| Compass Server | 検索エンジンサーバー | |||||
| Application Server | ウェブアプリケーションを動かすためのサーバー | |||||
| Publishing System | 今で言うニュースサイトのような商用サイトを構築するサーバー | |||||
このあたりで、インターネットの最初のバブルがそろそろ弾けそう、という見通しをClark氏は得たのだろう。1998年11月、AOLは株式交換でNetscapeを買収することを発表する(買収完了は1999年までかかった)。
交換比率はNetscapeの株1株あたりAOLの株0.45株で、当時のAOLの株価(89.25ドル)で換算すると買収金額はおよそ42億ドルに相当する。Andreessen氏は一旦はAOLにCTOとして移籍したが、1999年中に離脱し、Loudcloudというベンチャー企業を興す。一方Clark氏はAOL買収のタイミングで保有株をすべて売却、まったく違う別のビジネスを開始する。
そしてAOL傘下に入ったNetscapeは、ブラウザーのソースコードを(もともとはNetscape Communicationが出資して立ち上げた)Mozilla Foundationに委託。しばらくの間はAOLのNetscape部門とMozilla Foundationが独自にブラウザーを開発するややこしい状態になっていたが、2003年にAOLはNetscape部門を閉鎖し、旧Netscapeの開発陣を全員解雇している。
その後は開発を外注してNetscape 8/9をリリースしたものの、ここで開発は完全に打ちきられ、Netscapeの名前も途絶えることになった。
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