絵文字は「Emoji」として、米国をはじめとする世界中で日常的に使われるようになりました。日本で1999年に使われ始めた絵文字は、白黒の液晶でもきちんと識別できるようにデザインされていましたが、スマートフォンで用いられるようになった現在は、文字と言うよりも、ほぼイラストと言うべき存在に進化しています。
筆者のお気に入りは、Emojiに関するニュースを扱っているウェブサイト「Emojipedia」と、そのTwitterアカウント(@emojipedia)です。日々、絵文字に関するニュースや、最新機種やOS、Unicodeでの絵文字の実装状況などを知ることができます。
原稿執筆時点で一番上に固定されているTwitterの投稿は、2017年に追加される最新の絵文字のまとめビデオ。カーリングの石や、アメリカでは定番の中華のテイクアウトのボックス、ブロッコリーなんかも2017年の新作なんですね。
Appleは絵文字をコミュニケーションの中でより円滑に利用できるように、メッセージアプリに入力した文章の中で、絵文字に変換できる単語にマークを付け、絵文字混じりの文章を手軽に作れるようになりました。
日本語入力を使っていると、単語入力中に絵文字が候補に挙がってくるので、入力しながら絵文字混じりの文章を作ることができます。英文でも推測候補が出てくるのですが、やはり一度文章を作ってから絵文字に変える方が効率的、ということでしょうか。
ちなみに、「I got an apple.」という文章では、「apple」の部分をリンゴの絵文字に変換できます。もっと入力システムが賢くなると、「I bring some apples」と書いたら、「some apples」の部分をリンゴの絵文字3つに変えてくれる、見たいなことができるようになるのでしょうか。
サウンドロゴとコミュニケーション
筆者は大学時代に、広告表現の授業を履修したことがあります。その授業の中でサウンドロゴについて扱われてたことを記憶しています。サウンドロゴは、商品名や企業名を識別できる短い音のことで、個人的には日本のテレビのほうが、アメリカよりも発達しているような印象を持っています。
アメリカのテクノロジー業界ですぐに思い浮かぶサウンドロゴは、Intelのものです。IntelのCMはもちろん、それを採用しているPCメーカーのコマーシャルでも流れるため、耳にする頻度も高いと思います。なんとなく最近は不明瞭になっている気もしますが、一応PC向けのプロセッサも競争がありますので。
マクドナルドも、サウンドロゴが定着しました。日本では、ポテトが揚がる音まで、マクドナルドのものだと印象づけられています。香りや味、満腹感と言った音以外の感覚までセットで記憶させられるため、サウンドロゴとしては強敵ですね。
携帯電話で言えば、端末メーカーのNokiaや、米国の携帯キャリアT-Mobileが、共通の着信音を導入していました。絵文字をiPhoneに取り入れたAppleは、意外とサウンドロゴをコミュニケーションに活用していませんね。Macの起動音も広告でガンガン流しているわけでもありませんし、iPhoneは起動音がしませんし。
ただ、iPhoneの標準の着信音(オープニング)やメッセージ音(トライトーン)は、多くの人が「メッセージが届いた」と認識する音になっています。内蔵されているサウンドもだいぶ増えていますし、iPhoneの場合、無料の音楽制作アプリ「GarageBand」を導入すれば、自分で着信音をiPhoneで作ることもできますので、人と違う音にして識別することも、そんなに難しくありません。
識別と音声入力デバイス
さて、我が家には、Amazon EchoとGoogle Homeという2つの音声アシスタントデバイスがあります。これらにはディスプレイがないため、すべての操作を声で行なわなければなりません。
最近、Amazon Echo Showという7インチディスプレイを搭載したデバイスが登場し、音声アシスタントに画面が付きました。ビデオチャットや映像ニュースを楽しむ事ができる機能性質が追加された反面、やはり音声だけでのコンピューティングでその用途を拡大していくには、まだ厳しかったのではないか、という印象も受けます。
音声アシスタントデバイスを使っていると、いろいろな問題に直面します。基本的には少し離れたところから呼びかけるため、同じことを言っても、周囲のノイズによってはうまく認識しないことも多々あります。
たとえばタイマーを設定するときも、必ずしも同じ言葉で呼びかける必要はありません。日本語に直すと「5分のタイマーを設定」でも「5分計って」でも、同じ意味として、5分間のタイマーをセットしてくれます。ただ、前述のノイズなどの環境と、筆者の非ネイティブの発音の組み合わせは、人工知能には違う言葉に届いてしまうことがあり、やはり難しい部分があります。
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