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楽天1Qは増収増益、営業利益73%増…CtoCの投資は継続

2017年05月11日 13時19分更新

記事提供:通販通信

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 楽天(株)が11日発表した2017年12月期第1四半期連結決算(1~3月)は、売上高が前年同期比17.6%増の2120億7700万円、営業利益が同73.2%増の404億1600万円、四半期利益は同107.3%増の250億6000万円となった。

国内EC好調で17年はロケットスタート

 Fintech(インターネット金融)とともに、楽天市場を含む国内ECが好調で、増収増益となった。決算説明会で三木谷会長兼社長は「全体的に総括すると、大変いいクウォーターとなった」と話し、ここ2期は連続で減益となっていた楽天が、今期は好調なスタートを切った。

 国内ECを含むインターネットサービス事業は、売上高が同18.7%増の1490億8600万円、セグメント利益は同124.3%増の265億4800万円だった。ライドシェアリングのLyft社(米)などの評価益149億円を計上したことで、セグメント利益が倍増した。

 国内EC(楽天市場・楽天トラベル・爽快ドラッグ・ケンコーコム・ラクマ・フリルなど)の売上高は、同25.5%増の894億円、営業利益は同5.3%減の179億円となった。楽天カードを利用した決済などでポイント付与率がアップする「スーパーポイントアッププログラム」(SPUプログラム)の経費や、成長分野とするCtoCの販促費用などの影響で営業利益は同5.3%減となったが、昨年買収した(株)爽快ドラッグの売上などが寄与し、大幅な増収となった。営業利益は第2四半期でプラスになる見込み。国内EC流通総額は、同13%増の7775億円となった。

楽天市場は営業利益がプラスに転換

 楽天市場では、ユニーク購入者の育成に注力。注文件数は同11.5%増、ユニーク購入者数は同9.2%増だった。この結果、楽天市場の営業利益はプラスに転じた。楽天市場流通総額のうち、楽天カード決済比率(3月)は51.6%、モバイル流通比率は同5.2ポイント増の62.8%となった。楽天会員数は同10.5%増となり、3月の会員数(会員登録後に1回以上ログインした会員)は8950万人で、このうち楽天スーパーポイントが付与される複数のサービスを利用したクロスユースは、63.6%に上った。

日用品売上はLOHACOの約1.7倍に

 直販ビジネス(日用品)の売上高は、爽快ドラッグとケンコーコムを合わせ、日用品ネット通販「LOHACO」の約1.7倍となった。CtoCビジネスでは、ユーザー手数料の無料化などの先行投資を実施し、ラクマの流通総額が同2.6倍、FRILの3月の流通総額が買収時(16年9月)との比較で3.1倍になるなど、流通総額が急拡大している。楽天の三木谷会長兼社長は、「メルカリの背中が見えるようになるまで(投資を)頑張りたい」と語り、ユーザー手数料の無料化を今後も継続させることを明らかにした。

 Fintech事業は、売上高が同9%増の779億6000万円、セグメント利益は同8.7%増の170億3200万円となった。楽天証券を除き、楽天カード・楽天銀行・楽天生命が増収増益となり、営業利益は楽天銀行が同10.3%増、楽天銀行が同34.6%増、楽天生命が同216%増となった。16年の通期決算では、セグメント利益でFintechがインターネットサービスを上回ったが、17年第1四半期ではインターネットサービスが逆転した。

(山本 剛資)

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